豆知識

 アスベストは、40年前ごろから建築材料に広く使用されてきたが、その危険性も認識され、段階的に規制が強化されてきた。

 2004年には、含有率1%を超えるアスベスト含有建材10品目(接着材、成形セメント板など)が製造禁止にされ、さらに2006年にはアスベスト含有率0.1%を超える製品の製造が全面禁止になった。

 しかし、2006年以前に製造された建築材料や塗装剤にはアスベストが残されており、国、自治体が昨年から今年にかけ規制を厳しくした塗装剤、下地調整剤もその一つだ。

 専門機関に処分を委託するなど、2重、3重の防護措置が定められた。

 7月にアスベスト処理作業を終えた神奈川県内のマンションは、550万円の費用が掛かった。

 また、同じ県内のマンションは、建築年次からアスベストが検出されるのは必至と判断、外壁改修工事を数年後に延期することにした。

 想定される検査、処理費用を当面負担できないので、と理由を明かす。マンションの規模にもよるが、処理費用は1千~2千万円に上るところもある。

 アスベストは、旧公団団地の外壁などから検出されることが多いが、専門家によると民間のタイル張りのマンションも、コンクリート外壁にタイルを貼る際、接着材にアスベストを混入させる例があるので、安心できない、と指摘する。

 すでに処理した神奈川県内のマンションの理事長は、10数年後に、塗膜を全面剥離する工事となれば、費用は億を超えるのではないか、負担が大ききすぎると危惧する。国や自治体の補助金制度を整備してほしい。

 さらに、昨年秋ごろから、自治体では施工業者、設計業者を対象に、アスベスト対策の説明会を開いてきたが、管理組合や住民を対象にした説明会はほとんど開かれていない。

 費用を負担しなければならない管理組合、住民はないがしろにされている、といえる。

(著)全管連会長 川上湛永

岡管連から

アスベストを含んだ塗料材について、マン菅通信8月号でも指摘されている。

アスベスト問題は、大きな問題をはらんでいるといえるだろう。

| 2018年9月29日 | カテゴリー 豆知識 

アスベスト含有仕上塗材について

 2006年9月から重量の0.1%を超えてアスベストを含有する製品の製造や使用が全面的に禁止されていますが、過去には建築物には様々な形でアスベストが含有された建材が使用されていました。

 また仕上塗材にも、アスベストを含有した製品が製造されている時期がありました。

 施工時のタレや塗膜のひび割れ防止が期待されたことから、添加剤として少量のアスベストを含有させていたようです。

 仕上塗材が健全な状態であれば含有しているアスベストが飛散する可能性は低く、アスベストの含有量も多くはありません。

 ただし、建物の解体や改修工事では仕上塗材を削ったり、物理的な力を加えて除去したりする場合には、含有するアスベストが飛散することが考えられ注意は必要とされています。

 マンションにおいても2006年9月より前に建設された建物にあっては、アスベスト含有仕上塗材が施されている可能性があります。

 大規模修繕工事の際にはアスベストの含有の有無や程度を確認するとともに、アスベストを含有した仕上塗材が使用されていた場合には、各種作業に際してアスベストを飛散させないよう慎重な対応が求められます。

(著)日本建築家協会メンテナンス部会員 奥澤 健一

岡管連から

 2006年8月以前の建物の外壁塗材については、管理組合としても『アスベストの有無』を確認する必要があろう。

| 2018年9月25日 | カテゴリー 豆知識 

 当センターでは、分譲マンションの管理組合の役員や組合員を始めマンション管理の業務に携わる管理会社のフロントマンやマンション管理士等多くの皆さまから管理組合運営や建物・設備管理等に関するさまざまな相談を受け付けています。

 ここでは、平成29年度(平成29年4月1日~平成30年3月31日)の相談内容別件数(総件数:8,434件)を紹介します。

【 平成29年度 相談内容別件数 】

1  区分所有法・管理規約の解釈         1,110件

2  管理規約の作成・改正              585件

3  役員の資格、選任・解任、任期          360件

4  管理組合の役割・業務              333件

5  管理会社の選定・変更              269件

6  総会の決議事項                 243件

7  理事長・理事会への不満             181件

8  管理員・フロントマンへの苦情・交代要求     178件

9  理事会運営(招集、議長、決議要件、議事録等)  177件

10 水漏れ事故(排水、給水管、外壁等)       165件

11 管理委託契約書の内容              157件

12 共用部分の使用、管理、変更           151件

13 委任状・議決権行使書              119件

14 議決権、決議要件                117件

15 総会の開催準備(招集、議案書の作成等)     113件

| 2018年7月19日 | カテゴリー 豆知識 

調査方法

 調査方法は、外壁、屋根、経路上の共用廊下等において、目視による調査が中心になります。

 目視調査以外にも、外壁がタイル仕上げの場合、タイルの浮きの有無を確認するために打診棒を使用して打診調査を実施することがあります。

 また、外壁の高所を確認するために双眼鏡を使用したり、調査時の状況を記録するためにカメラでの撮影も行います。

 マンションの建築確認申請が平成11年5月以前の場合、構造耐力上主要な部分の調査の一部としてコンクリート圧縮強度試験を実施します。

 この調査は、タイルなどの仕上げがないコンクリート素地面で、マンションの1階・2階の外壁において各1箇所での実施が基本です。1箇所につき9~12回程度の打撃をします。

 打撃したコンクリート素地面に微細な痕が残る可能性があるため、パイプスペース等の目立たない箇所で調査を実施します。

 建物の性能への影響はありません。

 調査の際にどうしてもコンクリート素地面が見つからない場合は、「コンクリート圧縮強度試験を実施できなかった」旨が報告書に記載されます。

 コンクリート壁面を打撃する当該調査を実施する場合は、打撃痕が残ること、打撃音が発生することを管理組合に事前に説明するよう、当協会では当協会登録の調査技術者に対して推奨しています。

調査時間・立会いの必要性

 一般的な調査時間は、1時間程度です。

 屋上の調査やコンクリート圧縮強度試験を実施した場合は、2~3時間程度になる場合もあります。

 管理組合の方は、必ずしも調査に立ち会う必要はありませんが、

 ・集合玄関のオートロックの開錠

 ・屋上に上がるハッチ等の開閉

 ・屋上に手すり等がない場合の立会い

等について、常勤している管理員の方などへの手配が発生することが考えられます。

(著)一般社団法人 住宅瑕疵担保責任保険協会 事務局次長 永谷 潤一

| 2018年7月07日 | カテゴリー 豆知識 

分譲マンションの『住戸型調査』について

 平成30年4月1日より改正宅地建物取引業法が本格施行され、中古住宅として取引される物件に対して購入予定者が希望した場合などに、「建物状況調査」が行われることになりました。

管理組合の了承

  国土交通省から公表されている『改正宅地建物取引業法に関するQ&A』の中に、『マンションにおいて

 状況調査を実施する場合、共用部分も調査の対象となるため、あらかじめ管理組合の了承を得る必要があり

 ます』とされています。具体的には

  ・マンション内への立入り

  ・調査の実施(立会いを含む。)

  ・関係書類の提供

  ・コンクリート壁面を打撃する調査を実施する場合の詳細

  ・組合員への事前周知

 等です。

  調査の実施に先立ち、売主や宅地建物取引業者を通じて調査実施者から管理組合に申請されます。

マンションの基本的情報・関係書類の提供

  管理組合が調査を了承する際に、併せて、マンションの基本的情報や関連書類の写しを提供することの

 ご協力をお願いします。

  該当する書類を以下に列挙します。

  (a)マンションの基本的情報

  (b)耐震性に関する書類

  (c)長期修繕計画

  (d)図面

  (a)はマンションの所在地、構造種別、階数、延床面積、建築確認済日等の情報です。

  (b)はマンションが新耐震基準に適合しているかどうかを確認するための書類で、確認済証、検査済証

 などが該当します。提供は1種類で構いません。

  (c)はマンションの維持管理について長期修繕計画に基づき適切に行われていることを確認するための

 書類です。当該確認ができた場合は、屋上の調査を省略することができます。

  (d)は調査や調査報告書の作成の際に資料として使用します。

調査項目と調査部位

  調査項目は、主に次の2つです。

  (1)構造耐力上主要な部分(柱・梁など)

  (2)雨水の侵入を防止する部分

    (屋根・外壁・外部に面した建具など)

  上記の(1)および(2)に関する具体的な調査部位は、①外壁、②エントランスから調査対象の

 1住戸までの経路上の各部位(共用廊下等)、③屋上です。

  この他に、調査対象の1住戸の専有部分について、設備機器、設備配管を併せて調査する場合が

 あります。

(著)一般社団法人 住宅瑕疵担保責任保険協会 事務局次長 永谷 潤一

| 2018年7月05日 | カテゴリー 豆知識 

管理組合として

建物状況調査への対応と管理組合にとってのメリット

 管理組合として建物状況調査への対応に向け、どのような準備が必要でしょうか。

 建物状況調査をすることによって建物の劣化事象等を明らかにすることとなりますので、管理組合(組合員)にとって一見デメリットしか無いように思われるかもしれません。

 しかし、建物状況調査をすることにより、

①調査依頼者(売主もしくは買主)から建物状況調査の情報を得ることで、劣化事象等を知ることができ、

 修繕計画に反映させることができる、

②建物の維持管理に対する組合員の関心が喚起される、といった管理組合としてのメリットが考えられます。

 また、区分所有者にとっては、

③マンションの適正な価値を反映させた取引ができる、といったメリットもあるでしょう。

 法改正の趣旨(良質の中古住宅を安心して取引ができるようにする。)や上記のメリット等を予め理解していただき、管理組合として「円滑な建物状況調査の実施」にご協力をお願いいたします。

 具体的には、調査依頼の承諾(調査依頼者は調査結果報告を管理組合へ提出することとする等、予め承諾のルールを決めておくことも考えられます。)や調査申込時に必要となる図面の開示(設計図書や長期修繕計画書等)、調査時の立会い(鍵の開閉など)等をお願いいたします。

 今後、建物状況調査を上手に活用することで、どのように将来のマンションの資産価値を維持させるかが重要となっていくことでしょう。

(著)一般社団法人 住宅瑕疵担保責任保険協会 事務局次長 杉田 宜邦

| 2018年6月13日 | カテゴリー 豆知識 

既存住宅売買瑕疵担保保険の概要

既存住宅売買瑕疵担保保険とは

 既存住宅売買瑕疵担保保険とは、既存住宅流通(中古住宅売買)に際して、基本構造部分等の隠れた瑕疵により生じた損害を補償するため、宅建業者または検査事業者からお申込みいただく任意の保険です。

 よって、登録宅建業者や登録検査事業者が保険契約者となり、住宅取得者は「保険が付与された住宅を取得する」ということになります。

 この既存住宅売買瑕疵保険には、買取り再販タイプと個人間売買タイプがあります。

 買取り再販タイプは、宅建業法上の売主責任に対応したもので、住宅瑕疵担保責任保険法人に登録をした宅建業者が被保険者(保険契約者)となります。

 個人間タイプは、売主が買主に対する瑕疵担保責任をすべて負うことが困難であるため、登録検査事業者が売主に代わって買主への保証責任を負う場合、瑕疵保険法人に登録をした検査事業者が被保険者(保険契約者)となり、保険契約を締結します。

 住宅の引渡し後に「構造耐力上主要な部分」または「雨水の侵入を防止する部分」等に瑕疵が発見された場合、①修繕費 ②調査費用 ③仮住まい・転居費用等が保険金として支払われます。

 既存住宅売買瑕疵保険を活用することによって、住宅ローン減税等の税制特例など、買主にとってメリットとなるケースもあります。

 今後建物状況調査と同様に既存住宅売買瑕疵保険の検査が多く実施されることが予想されます。

(著)一般社団法人 住宅瑕疵担保責任保険協会 事務局次長 杉田 宜邦

| 2018年6月11日 | カテゴリー 豆知識 

はじめに

 平成30年4月1日より改正宅地建物取引業法が本格施行され、中古住宅として取引される物件に対して購入予定者が希望をした場合などに「建物状況調査」が行われることになりました。

 マンションの場合、共用部分においても調査を実施することから、今月と来月の2回に渡り、改正宅地建物取引業法の概要、建物状況調査の内容等についてレポートします。

1 改正宅地建物取引業法が及ぼすマンション管理組合への影響

 (1)改正宅地建物取引業法の概要

    今回の法改正により、以下の3点が宅建業者に義務付けされます。

    ①売主または買主との媒介契約締結時に「建物状況調査」を実施する検査事業者のあっせんの可否

     を示すこと。

    ②過去1年以内に「建物状況調査」が行われた既存住宅を取引される際、調査結果の概要を買主へ

     重要事項説明時に説明をすること。

    ③売買契約締結時に建物状況調査の結果の概要について、売主・買主双方が内容を確認し、売主及び

     買主に契約書面の一部として交付すること。

 (2)建物状況調査とは

    「建物状況調査」は、「既存住宅状況調査技術者」が「既存住宅状況調査方法基準」に基づいて実施

   する調査をいいます。

    「既存住宅状況調査技術者」とは、一般社団法人住宅瑕疵担保責任保険協会を始めとする国土交通省

   から講習の実施機関の登録を受けた団体の実施する講習を修了した者が、講習を修了した団体へ「既存

   住宅状況調査技術者」として登録されます。

    建物状況調査とは、原則として目視・計測を中心とした非破壊による調査としています。

    共同住宅の調査の場合、専有部分だけではなく外壁・屋根(屋上)・廊下・エントランス等の共用部

   分に関する調査も行いますので調査依頼者が管理組合の承諾を得るよう指導しています。

    建物状況調査は、対象住宅に生じている劣化事象等の有無を確認することを目的としています。

    したがって、現行の建築基準法関係法令への適合性の確認や、耐震性や省エネ性能等の住宅の性能の

   程度を判定すること、住宅の構造耐力上主要な部分等への隠れた瑕疵の有無の判定や瑕疵がないことを

   保証する調査ではありません。

(著)一般社団法人 住宅瑕疵担保責任保険協会 事務局次長 杉田 宜邦

岡管連から

 「既存住宅状況調査」は、 「インスペクション」と言い換えられる場合があります。

| 2018年6月09日 | カテゴリー 豆知識 

本判決を受けての管理組合の対応

 本判決は、標準管理規約ベースの規約において、あくまでも理事長の職を解くことを理事会決議で行うことが可能と判断したものであり、役員としての地位そのものをはく奪することまでも理事会決議で認めたものではありません。

 役員としての地位を失わせるためには、標準管理規約ベースでは総会決議が必要になります。

 本管理組合も、理事解任は総会決議によっています。

 したがって、仮に総会の招集にも応じない管理者である理事長につき、あわせて役員としての地位も失わせることとするのであれば、まずは理事会決議で理事長の職を解いて新たな理事長を選任し、その理事長が、規約で定めた手続きに従い総会を招集して、当該総会において役員解任決議を経るという手順を踏むことに留意しましょう。

 以上のような状況にある管理組合では、理事一人一人が、区分所有者から付託を受ける立場で管理組合運営に向き合い、理事会として適切に対応していくことが求められることになりましょう。

佐藤貴美法律事務所 弁護士 佐藤 貴美

| 2018年3月21日 | カテゴリー 豆知識 

最高裁判決:マンション管理組合の理事長の職の解任

 平成29年12月18日、理事長を区分所有法上の管理者とし、その選任は総会で選任された理事の互選によるものとする一方で、理事長の解任に関し特段の規定を設けていない管理規約を有するマンション管理組合において、理事長の解任を理事会決議で行うことができるかについて、初めての最高裁判断が示されました。

 理事長が区分所有者の利益を顧みず専横的に振る舞い、他の理事や区分所有者などからの辞任要請などにも耳を貸さないようなケースでは、マンション全体の利益を守るため、理事長の解任が要請されることがあります。

 今回の最高裁判決で、この問題につき決着が図られたことになります。

 理事長の解任に関して特段の規定を設けていないのは、国土交通省が示しているマンション標準管理規約でも同様です。

 したがって、今回の最高裁の判断は、標準管理規約を元に管理規約を制定している多くの管理組合にも、理事長の解任の手続きに関し大きな影響を与えるものとなります。

佐藤貴美法律事務所 弁護士 佐藤 貴美

| 2018年3月20日 | カテゴリー 豆知識 

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