国交省は、1981年5月31日以前に建築確認申請を受けた、いわゆる「旧耐震基準」で、一定の高さを有する塀に対し、耐震改修促進法に基づく耐震診断を義務付ける。
昨年6月に発生した大阪北部地震で、女児が倒壊したブロック塀の下敷きになり死亡した事故を受けた措置。同省は同法施行令や施行規則を一部改正し11月中に交付、2019年1月に施行する。
緊急輸送道路沿いなどに建ち倒壊した際に当該道路の通行を妨げる恐れのある「通行障害建築物」の要件を改正。
改正により、例えば道路に幅が4mの場合、長さ25m超かつ高さ80センチ超の塀について、義務化の対象とする。
長さについては、自治体が独自に「8m以上」まで引き下げることも可能。
国交省は、耐震診断の義務化と合わせて、回収や撤去に向けた支援策も講じる構え。
建物の耐震改修については現在、防災・安全交付金の基幹基準に位置付けられており、国が改修費の3分の1を支援している。
さらに、耐震診断義務があり、診断結果で問題があることが分かった建物への対応については、実質的な補助率を5分の2に拡充している。
国交省は、塀を単独で回収・撤去する場合についても同交付金の基幹事業に位置付けるよう2019年度予算概算要求に盛り込んでおり、従来の建物に対する支援策を参考に、昨年末にかけて財政当局と具体案を詰める方針だ。