電力使用方法の進化

家庭向け料金 中電見直しへ 20年4月から7プラン

 中国電力は28日、時間帯によって電気料金が変動する家庭向けの料金プランなどを見直すと発表した。

 太陽光発電の普及で昼間の電力需要が減少している現状を踏まえ、昼間の料金を下げる一方で夜間、深夜料金を引き下げ、実質的に値上げする。料金改定は2020年4月から。

 対象となるのは、オール電化や高効率の給湯機「エコキュート」を備える世帯などが加入する7プラン。

 家庭向けの約2割に当たる89万件が該当する。中電の試算によるとトータルで6~9%の値上げになる。

 中電では太陽光の電気を自家消費する家庭の増加に伴い、昼間の需要が減少。

 一方で夜間に電力を使う電気給湯機の普及などで夜間需要が増え、発電コストが上がっている。

| 2019年9月05日 | カテゴリー 電力使用方法の進化 

家庭ごとに選びたい

 だが、電力自由化で各家庭が契約する電力会社を選ぶことが可能になり、一括受電への切り替えが難しくなる事例が今後、増えていきそうだ。

 関東地方にある中規模マンションは昨年、管理組合の総会で一括受電への切り替えを賛成多数で承認した。だが、反対した数戸は「電力会社は自分で選ぶ」として同意書の提出を拒んでいる。近畿地方では反対者に対して損害賠償を求める提訴を検討しているマンションもある。

 一括受電は安さを全面的に打ち出すことで普及してきたが、電力自由化で電力会社を選択する基準が広がった。環境保護に意識が高い人は太陽光など再生可能エネルギーの使用率などを基準に選べ、高齢者の安否確認などの付帯サービスに魅力を感じる人もいる。

合意形成難しく

 契約切り替えをサポートしている不動産コンサルティング会社エクセルイブ(神戸市)の尾浦英香社長は「選択基準が価格だけではなくなった結果、合意形成はこれまで以上に難しくなる」と話す。

(岡管連から)

 電力自由化で選択肢が広がった結果、マンションが共同住宅ゆえの問題として、『共同の利益』か『個の利益』かのどちらに重きを置くかにあるでしょう。

 特にマンションでは、『コミュニティの有無』が合意形成の可否がかかっているといっても過言ではないでしょう。

 なお、地方の場合、電力自由化の選択肢が少ないのが現実です。

| 2016年7月23日 | カテゴリー 電力使用方法の進化 

まとめて契約 お得に

 マンション住民全体の利益と各家庭の利益、どちらを重んじるべきか―。4月に始まった電力の小売り全面自由化から3カ月。契約する電力会社を選べるようになったことで、今後こんな悩みがマンション内で増えるかもしれない。

 マンションの電力を見直すことで「貯金」を生み出す―。兵庫県宝塚市のマンション、宝塚エリー(302戸)の管理組合は3年前、こんな目的で住居部の電力契約を「一括受電サービス」と呼ばれる契約に切り替えた。

 一括受電は、大量に電気を使う事業者用として割安な高圧電力を利用し、マンションの電気料金を抑える仕組みだ。宝塚エリーでは各戸が負担する電気料金はそれまで契約していた関西電力と同等とし、差益を将来の大規模修繕などに向けて積み立てている。切り替えで生じる収入は年間300万円。管理組合の鈴木哲人理事長は「無理なく積み立てができるようになってよかった」と話す。

 一括受電は05年ごろから広がった。調査会社の富士経済によると、同契約を結ぶマンションは15年で58万800戸の見込み。10年からの5年間で5倍以上に急増している。

一括受電サービス

 戸建てなどの一般住宅に送られている電気は「低圧」。これに対しマンションでは、「高圧」で送られる電気を、電力会社が建物内に設置した変電設備で低圧にして各戸に供給するケースが多い。価格は高圧のほうが2~3割安いとされ、マンション側が高圧電力を契約して自前で低圧に変換すれば、その差益を得られることになる。電力会社との契約は、管理組合が直接する場合と、代行の専門会社が行う場合がある。

                                 (注)下線部は、こちら側で修正。

| 2016年7月21日 | カテゴリー 電力使用方法の進化 

【高圧一括受電の導入条件】

 高圧一括受電方式を導入できる一般的な条件には、以下のことがあります。

 ① 50戸~100戸以上の規模であること

 ② 電気室(借室)があること

 ③ オール電化ではないこと

 ④ ファミリータイプマンションであること

 ⑤ 築年数が古くないこと(築25年以下)

【電気料金の削減条件】

 一般的に、受電業者から電気料金削減案の提示があり、以下の2案から1案を選ぶことが行われています。

 この削減案は建物の規模・設備により変わるため確認が必要です。

 ① 全住戸を対象に住戸の電気料金を5%削減

 ② マンション共用部分の電気料金を20%以上削減

【高圧一括受電の導入工事】

 既存マンションの高圧一括受電設備導入工事は原則として1日で完了させます。

 なお、マンション居住者へ、事前に十分な周知と理解・協力が必要となります。

【高圧一括受電設備の保守メンテナンス】

 受変電設備・機器の保守メンテナンスは受電業者が行います。

 受変電設備は法定点検が必要なため、3年又は1年ごとに、受変電設備の法定点検を行います。

 なお、点検の際はマンション全体が停電します。

【高圧一括受電事業者の選定】

 受電業者の選定には以下の点を考慮する必要があります。

 ① 企業の信用力・技術力

 ② 電気料金の削減

 ③ スマートメーターの導入

 ④ 合意形成の支援力

(岡管連から)

 高圧一括受電を導入しようと検討しているマンション管理組合にありましては、岡管連にご相談ください。

 なお、高圧一括受電方式を導入するには、居住世帯全員の同意が必要となります。

| 2015年4月13日 | カテゴリー 電力使用方法の進化 

【高圧一括受電とは】

 高圧一括受電とは、電力会社の業務用の高圧電気料金と住戸用の低圧電気料金の料金差を利用して、電気料金を下げる方法です。

 具体的には、マンションの個々の住戸が電力会社と結んでいる低圧契約を、マンション全体を一つの高圧契約に切り替えることにより、全体の電気料金を従前より安価にします。

 なお、各住戸の電気使用量の計量・請求・徴収は、電力会社に代わり高圧一括受電事業者(受電業者)が行うことになります。

【マンションの受変電設備の変化】

 現在のマンションは、電力会社が敷地内の電気室に受変電設備、各住戸に電力計を設置して、共用部分や住戸部分に電気を供給しています。

 なお、受変電設備機器と各住戸部分の電力計は電力会社が所有し保守しています。

 一方、高圧一括受電方式は、電力会社に代わり受電業者が電気室内に受変電設備、各住戸に電力計を取り付け、各住戸は居住者が、共用部分は管理組合が受電業者と受電電力契約を結びます。

【高圧一括受電により電気料金が下がる理由】

 受電業者は、マンション内に受変電設備・電力計を所有・設置して電力会社と業務用電力の契約をした上で、各住戸に対して電気料金の検針・請求・料金徴収等を行います。

 受電業者は、受変電設備と各戸電力計の保守管理を負担しますが、大口の受電契約によってより安価な電力の買い入れができ、その差額が原資となり、受電業者の経費を差し引いても、各住戸への電気代が削減できます。

【スマートメーターの導入】

 スマートメーターの導入により、短時間ごとに電気使用状況が確認でき、また日々の電気使用状態と過去の電気使用量を確認・比較することができるので、居住者の節電意識を高めます。

(岡管連から)

 マンションへの高圧一括受電方式の変更は、マンション全体で電気料金を削減するという取り組みになります。

 これにスマートメーターを設置することにより、電気使用量の『見える化』による『省エネ化』が図られます。

 このようなマンションを『スマートマンション』と呼んでいます。

 今後、『電力自由化』による電力供給会社の選択肢は増えてくると考えられます。

| 2015年4月11日 | カテゴリー 電力使用方法の進化 

【「節電すれば割引」サービス増えそう?】

 「明日の正午から1時間、節電に協力をお願いします」。

 真夏の暑い日など、電気の使用量が増えると見込まれる日の前日、テレビ画面には中部電力からこんなお知らせが届く。

 節電に協力した報酬として、商品の割引に使えるポイントがもらえる。

 中部電力が、大手スーパーのユニーやNTT西日本などと協力し、1月から始めた実験だ。

 8月までで、対象は愛知県の春日井市と豊田市のマンション2棟の約40世帯。

 与えるポイントを増減させて、何ポイントだったら節電に協力してもらえるかを調べる。

 中部電力の担当者は「実験結果をもとに、節電に応じて電気料金が安くなるような新しい料金メニュー作りを検討したい」という。

 こうしたサービスには、無線で家庭の電力使用量を30分ごとに把握できる『スマートメーター』が欠かせない。

 全面自由化に向けて導入数は増えており、東京電力は14年度から設置を始めた。

 20年度までには管内の全2700万世帯に設置する予定だ。

 全国でも、24年度までには全戸で設置が終わる見通しだという。

 スマートメーターがあれば、きめ細かい節電サービスもできる。

 例えば、家電一つ一つの電気使用料を把握したり、動きを制御したりできる『HEMS』という装置。

 スマートメータ~とともに使うと、電気使用量が増えた時に自動でエアコンの設定温度を下げたり、電気料金が安い夜間にお湯を沸かしておき、朝に床暖房として使って部屋を暖めたりすることもできるようになる。

(岡管連から)

 マンションの場合、『MEMS』という装置になります。

 『MEMS』は、マンション全体で『見える化』を図り、省エネ化を目指します。

| 2015年4月09日 | カテゴリー 電力使用方法の進化 

 【電気料金安くなるの?】

 暮らしに欠かせない電気を好みの会社から買える電力の『全面自由化』が、2016年4月から始まります。

 東京電力など電力大手による小売りの「地域独占」が崩れることで、私たちの暮らしはどう変わるのでしょうか。

 新たに電力事業に参入した「新電力」最大手のエネットは先月、事業開発室を設け、16年4月から参入できるようになる家庭向けの電力販売に備え、新しい料金メニュー作りを始めた。

 エネットの筆頭株主はNTT傘下の建築設計会社NTTファシリティーズ。その関係をいかし、家庭向けには、NTTグループのインターネットサービスと電気をセットで、大手電力の料金より安く売ることを検討している。

 実績もある。工場や百貨店など、たくさん電気を使う施設への電力販売は00年3月から段階的に自由化されており、マンション1棟に一括で電気を売ることはいまでもできる。

 そこで、マンションの管理組合などと契約し、一括で電気を売ることで、マンションの入居者は電気料金が大手電力より5%安くなった。

【競争は進むが、保証はない】

 競争が進むと、電気料金は下がるのだろうか。

 電気料金は、液化天然ガスなど火力発電の燃料価格に大きく左右されるうえ、今後は再生可能エネルギーの普及を支えるための「賦課金」の増加や消費増税などで、値上がり要因も多い。

 このため、実際の価格が下がる保証はないが、経産省は『自由化しないよりは価格は抑えられる』と強調する。

 経産省によると、段階的に自由化を始めた00年度に比べ、震災時の10年度の電気料金は11%も安くなったという。

(岡管連から)

 マンションの管理組合は、社会の変化を十分に考慮に入れながら、『電力自由化』という取り組みを検討すべき時期がもうそこまで来ているといえるでしょうね。

| 2015年4月07日 | カテゴリー 電力使用方法の進化 

【 『HEMS』導入へ補助 】

~市 15年度に制度創設~

 岡山市は26日の市議会個人質問で、ITなどを活用して家庭の省エネを促進する『HEMS』(ホームエネルギー管理システム)の導入補助制度を2015年度に創設することを明らかにした。

 環境局長の答弁では、「補助がHEMS対応の省エネ家電導入のインセンティブ(動機付け)となることを期待している」と述べた。

 HEMSは分電盤に取り付けた電力計測器とインターネットを結び、スマートフォンやパソコンを使って各部屋や家電の電力使用量や太陽光発電量を確認したり、家電の電源を切ったりできる。

(岡管連から)

 戸建て住宅に『HEMS』を導入したものを『スマートハウス』と呼ばれることがあります。

 これに対してマンションの場合、『スマートマンション』と呼ばれ、『MEMS』(マンションエネルギー管理システム)を導入したものをいいます。

 つまり、『スマート』とは、『エネルギーの賢い使い方』を意味するでしょう。

 そこで、『MEMS』のひとつであります『既存マンションにおける高圧一括受電の導入』について、別途、お伝えしたいと考えています。

| 2015年3月03日 | カテゴリー 電力使用方法の進化 

【新電力、大手より1円超上乗せ】

家庭や企業の太陽光発電の電気を、大手電力会社より高く買います。

そんな「プレミアム(高値)買い取り」サービスを、新たに電力事業に参入した新電力が手がけている。

安さを求めて電気を買う先を選ぶ企業が増えているが、電気の売り先を選ぶ動きも広がりそうだ。

【「量」確保ねらう】

通信や住宅を本業とする新電力が高値で買い取るのは、本業との相乗効果をねらうとともに、売るための電気をより多く買い集めたいからだ。

大手電力の相次ぐ値上げで、新電力への引き合いは増えたが、発電能力が足りないためだ。

足りない発電能力を補うため、全国に点在する太陽光発電の電気を集めようとしている。

【太陽光発電の高値買い取りをしている主な企業】

・NTTスマイルエナジー(NTTグループ)

・SBパワー(ソフトバンクグループ)

・ミサワホーム

(岡管連から)

マンションの管理組合としても、太陽光発電による売電先の選択肢が増えてくるのではないかと思われます。

| 2015年2月25日 | カテゴリー 電力使用方法の進化 

【出力抑制 4月申し込みから対象】

再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)の見直しで、電気が余るときに電力会社が出力を抑えるように要請できる対象が、4月の申し込み分から住宅用の太陽光発電にも広がる。

売電収入が減る可能性があるため、住宅関連業界からは普及の足かせになることを心配する声が出ている。

(これに対し)FIT開始後の太陽光発電量の導入量(発電能力ベース)は昨年9月時点で、事業用が1032万キロワットなのに対し、住宅用は264万キロワット。

住宅用は送電網への負担が小さいため、出力抑制の対象にしなくてもいいのではないか、という意見もある。

経済産業省も、事業用の抑制を先行させ、住宅用はできるだけ抑制を避ける仕組みをつくる。

【新しいルール】

♦4月1日の申し込み分から10キロワット未満の住宅用も対象に

♦家庭での消費分を除く売電分が対象

♦東京、中部、関西の3電力管内は当面対象外

♦事業用の出力抑制を先行させるなど住宅用はできるだけ優遇

【課題】

♦売電収入が減る懸念

♦住宅用の普及にブレーキも?

(岡管連から)

今後、マンションの太陽光発電にも影響が出てくるのではないかと思われます。

太陽光発電による『売電収入』という取り組みではなく、『自己消費』という取り組みを取り入れることになるかもしれません。

| 2015年2月07日 | カテゴリー 電力使用方法の進化