電力自由化 悩むマンション(1)/朝日新聞朝刊5・5より - NPO法人岡山県マンション管理組合連合会

電力自由化 悩むマンション(1)/朝日新聞朝刊5・5より

まとめて契約 お得に

 マンション住民全体の利益と各家庭の利益、どちらを重んじるべきか―。4月に始まった電力の小売り全面自由化から3カ月。契約する電力会社を選べるようになったことで、今後こんな悩みがマンション内で増えるかもしれない。

 マンションの電力を見直すことで「貯金」を生み出す―。兵庫県宝塚市のマンション、宝塚エリー(302戸)の管理組合は3年前、こんな目的で住居部の電力契約を「一括受電サービス」と呼ばれる契約に切り替えた。

 一括受電は、大量に電気を使う事業者用として割安な高圧電力を利用し、マンションの電気料金を抑える仕組みだ。宝塚エリーでは各戸が負担する電気料金はそれまで契約していた関西電力と同等とし、差益を将来の大規模修繕などに向けて積み立てている。切り替えで生じる収入は年間300万円。管理組合の鈴木哲人理事長は「無理なく積み立てができるようになってよかった」と話す。

 一括受電は05年ごろから広がった。調査会社の富士経済によると、同契約を結ぶマンションは15年で58万800戸の見込み。10年からの5年間で5倍以上に急増している。

一括受電サービス

 戸建てなどの一般住宅に送られている電気は「低圧」。これに対しマンションでは、「高圧」で送られる電気を、電力会社が建物内に設置した変電設備で低圧にして各戸に供給するケースが多い。価格は高圧のほうが2~3割安いとされ、マンション側が高圧電力を契約して自前で低圧に変換すれば、その差益を得られることになる。電力会社との契約は、管理組合が直接する場合と、代行の専門会社が行う場合がある。

                                 (注)下線部は、こちら側で修正。

2016年7月21日 | カテゴリー 電力使用方法の進化