マンションの二つの老い
10月18日(火)19時30分より、NHK クローズアップ現代の番組で
どう立ち向かえばいい? 『マンションの二つの老い』というタイトルで
マンションの老朽化、マンション住民の高齢化という問題提起がなされ
マンションの現状報告、全国各地の取組みなどが紹介されています。
なお、10月25日まで見逃し配信がなされています。
10月18日(火)19時30分より、NHK クローズアップ現代の番組で
どう立ち向かえばいい? 『マンションの二つの老い』というタイトルで
マンションの老朽化、マンション住民の高齢化という問題提起がなされ
マンションの現状報告、全国各地の取組みなどが紹介されています。
なお、10月25日まで見逃し配信がなされています。
NPO法人福岡マンション管理組合連合会(福管連)が実施したマンション管理実態調査のうち、「管理組合で実施している高齢者への支援・対応はどれですか」という質問(複数回答)で、以下の通りの結果が得られました。
1 何もしていない・・・・・・・・47.6%
2 自治会・民生委員との連携・・・30.6%
3 緊急時要支援者名簿作成・・・・19.4%
4 居住者で見守り活動・・・・・・15.3%
5 ふれあいサロン実施・・・・・・・9.1%
5 管理会社の支援サービス・・・・・9.1%
7 安否確認の仕組み整備・・・・・・7.6%
8 警備会社の支援サービス・・・・・3.2%
1 高齢者の名簿
①取り組んでいる :34%
②取り組まない :33.6%
③これから取り組みたい :15.3%
④外部の援助があれば取り組みたい:17%
2 サロン・親睦会
①取り組まない :48.5%
②外部の援助があれば取り組みたい:22.5%
③取り組んでいる :17.7%
④これから取り組みたい :11.3%
3 日常生活支援
①取り組まない :52.7%
②外部の援助があれば取り組みたい:23.6%
③これから取り組みたい :11.8%
④取り組んでいる :11.8%
4 高齢化について学ぶ
①取り組まない :45.1%
②外部の援助があれば取り組みたい:34%
③これから取り組みたい :17.2%
④取り組んでいる :3.7%
5 緊急時の連絡体制整備
①取り組んでいる :30.5%
②取り組まない :27.1%
③これから取り組みたい :24.2%
④外部の援助があれば取り組みたい:18.2%
6 高齢者の見守り
①外部の援助があれば取り組みたい:34.6%
②取り組まない :28.7%
③これから取り組みたい :21.1%
④取り組んでいる :16.6%
7 鍵の預かり
①取り組まない :74%
②外部の援助があれば取り組みたい:11.2%
③取り組んでいる :8.3%
④これから取り組みたい :74%
8 高齢化対策委員会の設置
①取り組まない :61%
②外部の援助があれば取り組みたい:22.5%
③これから取り組みたい :13.8%
④取り組んでいる :2.8%
9 認知症居住者への支援
①取り組まない :52.5%
②外部の援助があれば取り組みたい:31.3%
③これから取り組みたい :13.8%
④取り組んでいる :2.3%
1 現状と課題
新型コロナウイルスは飛沫や接触で感染するため、①閉鎖した空間において、②近距離で、③多くの人と
会話するなどの三密の環境では、感染を拡大させるリスクが高いと考えられています。
そのため、総会や理事会の開催等をどうしたらよいのでしょう。
2 管理組合の対応
・通常総会を開催する場合の留意事項
・総会開催の延期
・ITを活用した総会の開催
(著)湯川・佐原法律事務所 弁護士 佐原 専二
1 現状
令和元年末時点の在留外国人数は293万人となり、前年末に比べ20万人(7.4%)増加し、過去
最高となりました。
これに伴い、外国人がマンションの区分所有者になるという事例も増えていますが、賃貸に出している
住戸に外国人が入居してくるというのが一般的でしょう。
2 管理組合の対応
・きちんとルールを伝える
・コミュニケーションの輪を広げる
(著)湯川・佐原法律事務所 弁護士 佐原 専二
1 現状
総合調査によると、賃貸住戸のあるマンションの割合は74.4%であり、マンションの完成年次が古い
ものほど賃貸戸数割合が高くなっています。
マンション居住者の高齢化や子どもの独立等をきっかけとして、コンパクトで交通の便が良いマンション
に転居するとか、介護付きの老人ホームに入所するなどして、これまでの所有マンションを賃貸する人が
増えることが予想されます。
そうなれば今後は賃貸住戸にかかわるトラブルがますます広範囲かつ多岐にわたるようになるでしょう。
2 課題と管理組合の対応
① 賃貸人による迷惑行為⇒・区分所有者から注意してもらう
・差止請求・引渡請求及び損害賠償請求
・ルールを規約化し、周知させる
・住民が交流できる機会を設ける
② 役員の成り手不足⇒前回の高齢化①の記載の通り
(著)湯川・佐原法律事務所 弁護士 佐原 専二
1 現状
マンションの世帯主の高齢化は年々進み、2世帯に1世帯が60歳以上という高齢化に突入しています。
70歳以上の割合を見ると、5年前より3.3%増え、22.2%となりました。完成年次が古い
マンションほど70歳以上の割合は高くなっています。
2 課題と管理組合の対応
① 役員の成り手不足⇒・役員の資格要件を緩和する
・報酬(役員活動費)を支払う
・組合協力金を徴収する
・外部専門家を活用する
② 管理費等の滞納増加⇒・滞納者に任意売却を促す
・滞納者に賃貸を促す
・リバースモーゲージ制度の活用
・生活保護の受給
③ 認知症から起こる迷惑行為⇒・親族に連絡して相談
・地域包括支援センター等の活用
④ 孤独死⇒・立ち入り確認
・相続財産管理人選任の申し立て
(著)湯川・佐原法律事務所 弁護士 佐原 專二
1 管理組合としてかかわる限界がある
・そう思う・・・・・・・・63.7%
・ややそう思う・・・・・・28.3%
・あまりそう思わない・・・・4.7%
・そう思わない・・・・・・・3.3%
2 方針が定まっていない
・そう思う・・・・・・・・61.2%
・ややそう思う・・・・・・29.4%
・そう思わない・・・・・・・5.0%
・あまりそう思わない・・・・4.5%
3 役員等に知識や経験がない
・そう思う・・・・・・・・55.1%
・ややそう思う・・・・・・29.6%
・あまりそう思わない・・・・8.7%
・そう思わない・・・・・・・6.6%
4 相談する専門家がいない
・そう思う・・・・・・・・43.7%
・ややそう思う・・・・・・35.3%
・そう思わない・・・・・・12.1%
・あまりそう思わない・・・・8.9%
5 役員が多忙
・そう思う・・・・・・・・38.9%
・ややそう思う・・・・・・37.4%
・あまりそう思わない・・・14.2%
・そう思わない・・・・・・・9.5%
6 合意が得にくい
・そう思う・・・・・・・・38.6%
・ややそう思う・・・・・・32.0%
・あまりそう思わない・・・19.8%
・そう思わない・・・・・・・9.6%
7 取り組む予算がない
・そう思う・・・・・・・・44.8%
・ややそう思う・・・・・・24.7%.
・あまりそう思わない・・・18.6%
・そう思わない・・・・・・11.9%
1 高齢居住者の名簿
・取り組んでいる・・・・・・・・・・・34.0%
・取り組まない・・・・・・・・・・・・33.6%
・外部の援助があれば取り組みたい・・・17.0%
・これから取り組みたい・・・・・・・・15.3%
2 緊急時の連絡体制整備
・取り組んでいる・・・・・・・・・・・30.5%
・取り組まない・・・・・・・・・・・・27.1%
・これから取り組みたい・・・・・・・・24.2%
・外部の援助があれば取り組みたい・・・18.2%
3 サロン・親睦会
・取り組まない・・・・・・・・・・・・48.5%
・外部の援助があれば取り組みたい・・・22.5%
・取り組んでいる・・・・・・・・・・・17.7%
・これから取り組みたい・・・・・・・・11.3%
4 高齢者の見守り
・外部の援助があれば取り組みたい・・・34.6%
・取り組まない・・・・・・・・・・・・28.7%
・これから取り組みたい・・・・・・・・21.1%
・取り組んでいる・・・・・・・・・・・15.6%
5 日常生活支援
・取り組まない・・・・・・・・・・・・52.7%
・外部の援助があれば取り組みたい・・・23.6%
・取り組んでいる・・・・・・・・・・・11.8%
・これから取り組みたい・・・・・・・・11.8%
6 鍵の預かり
・取り組まない・・・・・・・・・・・・74.0%
・外部の援助があれば取り組みたい・・・11.2%
・取り組んでいる・・・・・・・・・・・・8.3%
・これから取り組みたい・・・・・・・・・6.6%
7 高齢化について学ぶ
・取り組まない・・・・・・・・・・・・45.1%
・外部の援助があれば取り組みたい・・・34.0%
・これから取り組みたい・・・・・・・・17.2%
・取り組んでいる・・・・・・・・・・・・3.7%
8 高齢対策委員会設置
・取り組まない・・・・・・・・・・・・61.0%
・外部の援助があれば取り組みたい・・・22.5%
・これから取り組みたい・・・・・・・・13.8%
・取り組んでいる・・・・・・・・・・・・2.8%
9 認知症居住者への支援
・取り組まない・・・・・・・・・・・・52.5%
・外部の援助があれば取り組みたい・・・31.3%
・これから取り組みたい・・・・・・・・13.8%
・取り組んでいる・・・・・・・・・・・・2.3%
相続人がいないか、いても遠く離れた甥や姪で、交際がなく自分の死後を託すには迷惑をかけることになると思う場合などは、どうしたらよいのだろうか。
そこで、私が一番お勧めするのが、信頼できる人に自分の死後を託す方法だ。
自分が最も信頼する人(他人も可)か、マンション管理組合に事前に同意を得て、死後の手続き一切を委託する方法が最も確実で費用がかからない。「預貯金は○○にΧΧ円、残りの預貯金は全額◊◊に遺贈する。死後の手続き一切と遺品の処分を○○委託する」、さらにマンションの区分所有者であれば、「所有するマンションを管理組合に遺贈する」と書いて、「日付」と「自分が署名」した自筆遺言書を作り「押印をしたうえで」、遺言状と表書きした封筒に入れ必ず糊で封をして冷蔵庫に磁石に貼り付けておく。遺言書を発見した委託を受けた人か管理組合は、封を切らずに遺言書について家庭裁判所の検認を受けてから実行に移ることになる。そうすれば、親族や管理組合に迷惑を掛けずに多くの費用も要せずに死後の心配をせず安心して暮らすことができる。
マンションの専有部分を管理組合に遺贈することを明記しておけば、管理組合が相続財産管理人を選任しなくともよい。管理組合の手間がおおいに省ける。そのためには、マンション管理組合を総会の4分の3以上の特別決議で法人化しておくことが必要となる。法人化は一時下火となり全国で10数%の割合でしかないが、今後は管理組合が専有部分を取得する機会が増えることを考えると、法人化が必要とされる時代がきている。
もし、信頼できる人がいなければ、自治体や民間のサービスを利用することになる。どちらにしても、できるだけ費用をかけずに、安心できる方法を生前に用意することが必須となる。
旭川市内のマンションでは、高齢で一人住まいの入居者を集めて、ファイナンシャルプランナーや司法書士の方を講師に招いて死後に備えて生前にしておくべきことの講習会を開いているマンションもある。対象となる人のほとんどの方が集まり大変好評であった。
公益財団法人 北海道マンション管理組合連合会
副会長 マンション管理士 水島 能裕