二つの老い

認知症(下) 住民みんなで見守る

 横浜市の霧が丘グリーンタウン第1住宅で、毎週金曜日に開かれる高齢者サロン「ふらっと・ほっと」。女性スタッフの問いかけに高齢の男性が答える。「28?」「本当は82歳」。ちゃめっ気たっぷりの返事に、笑い声が響いた。

 サロンは敷地内の集合所を利用して8年前に始まった。住民の安本とよ子さんが提案し、管理組合が集会所を無料で貸すことを決めた。住民14人がスタッフとして運営を手伝い、午前10時から午後4時まで、好きな時に高齢者が立ち寄って談笑したり、マージャンをしたり、民生委員をかつて務めた安本さんは「お年寄りがつながる場をつくりたかった。毎週顔を合わせれば小さな変化にも気付ける」と話す。

 約400世帯のマンションは1979年に完成。住民は当初からの居住者が約半数と高齢化が進む。管理組合の役員を務める数馬平内さんは「最近、認知症ではと思われる人も見かけるようになった」と話す。

 管理組合は地域包括支援センターの職員を講師に招いて認知症サポーター養成講座を開催。昨年9月、管理組合の役員を含め、住民39人が受講した。今後も毎年講座を開き、その年の班長が受講する。41班の各班長は輪番制で、10年で一回り。安本さんは「10年後には全世帯がサポーター。誰かが面倒を見る、ではなく、全員で見守りたい」と話す。

 「認知症予防に大切なのはコミュニティ―づくり。同じ場所に住み、集会所もあるマンションにはその環境がある」。名古屋市千種区社会福祉協議会の坂井聖士事務局次長は強調する。

 一方、同じマンションで70代の男性が孤立死したことも。その数週間前から廊下を徘徊する様子を周囲の住民が見ていたが、誰も自治会や民生委員に連絡しなかった。坂井さんは「コミュニティーが全体に広がっていなかった。サロンに出でたい人ばかりでもなく、課題はある」としながらも、こう強調する。

 「認知症対策というと大変なイメージだけど、必要なのは『最近、顔見ないな』と近所が気付くこと。地域がSOSをキャッチできれば、認知症の予防にもつながる」

岡管連から

 岡山のマンションの場合、管理組合の管理業務のほとんどすべてを管理会社に丸投げしているため、マンションの住民同士が希薄であり、かつ管理に無関心であるのが実態であり、コミュニティ―に関して、その要因が大きいと思われる。

 そのような状況下で、岡山のマンションでも孤立死・孤独死は、表には出ていないが起きている。これは、最近のマンションのセキュリティが厳重であるがゆえに、社会と閉ざされる傾向にあり、その実態は闇の部分が多い。そのため、地域の民生委員や行政機関が介入できにくいという一面も助長している。

 介護サービスを受けている利用者は、全国で500万人を超えていることも付け加えておきます。

| 2017年8月23日 | カテゴリー 二つの老い 

認知症(中) 組合危機、患者も理事

 約50世帯のこのマンションでは管理組合の役員は輪番制だった。これまでは問題なかったが、一昨年、思わぬ事態が起きた。役員が回ってきた住民の中に、会話の内容をすぐに忘れるなど認知症とみられる男性がおり、理事長になったのだ。管理会社は「男性は前に役員を務めたことがあり発言力もあった。他の住民が様子がおかしいと思っていても何も言えなかったようだ」と話す。

 理事長に就任後、男性は理事会に向けた打ち合わせの内容を何度も管理会社の社員に聞き直し、暴言を繰り返した。理事会後に社員を引き留め、「説明の仕方が悪い」などと8時間にわたって説教したこともある。

 男性があまりに会話内容を忘れるので、管理会社はその後、理事会はもちろん男性との会話はスマートフォンなどですべて録音。会話の内容は他の理事にも伝えていた。任期は1年で、男性は昨年3月に退任。「ストレスで体調を崩した社員もいた。管理会社として、これ以上続けられないという状況になりかけた」」。男性社員は振り返る。

 最近は住民の高齢化や負担の大きさから役員のなり手不足が慢性化。さらに認知症の住民が増え、全国マンション管理組合連合会の川上湛永会長は「今後、運営はさらに難しくなる」と話す。

 川上さんは1月、会長を兼務する日本住宅管理組合協議会で、役員らと「管理組合の役員に認知症の住民を受け入れるべきかどうか」を協議した。慎重論もあったが、「家族同伴など条件付きで受け入れる」という結論に至ったという。「認知症の人は社会参加が少なくなりがち、組合活動が社会との接点になる」のが理由だ。

 ただ、管理会社からは「認知症の役員がいると現実として負担が増える。協議会の考えは楽観すぎる」との声も漏れる。日本マンション学会中部支部の支部長を務める花井増実弁護士は「他の住民に代わって判断するのが役員の仕事。判断能力がない人を役員にするのは違和感がある」と指摘。「外部役員も入れるなど他の方法も考えるべきでは」と話す。

 一方、周囲の理事が支えた例もある。理事会で「認知症は人ごとではない」と受け入れることに。ほかの理事約20人が認知症サポーター養成講座を受け、80歳代の男性理事と一緒に活動した。

岡管連から

 マンションの築年数が30年以上経過すると、マンションの維持管理面と、住民が生活するうえでの医療・介護など健康面という二つの面が同時に訪れます。これがいわゆる『二つの老い』です。

 この二つの老いは、管理組合の運営上、様々な支障をきたす恐れがあります。

例えば、総会の定数不足による意思決定ができない、役員のなり手不足による理事会運営ができない、管理費等の滞納、ゴミの排出ができない、孤独死・孤立死など、その結果、マンションのスラム化、資産価値の低下など。

| 2017年8月21日 | カテゴリー 二つの老い 

認知症(上) 発見遅れ、トラブルに

 マンションで認知症とみられる住民のトラブルが顕在化している。徘徊や漏水など周囲の住民の生活に影響を及ぼすだけでなく、管理組合の運営に支障をきたすケースも。高齢化率の高さから、「日本の未来の縮図」といわれるマンションで、本格的に認知症と向き合う時代が迫っている。

 2015年12月、東京都内のマンションで日中、火災報知機が鳴り響いた。警備員が駆けつけると、一人暮らしの70代男性がリビングでごみを燃やしていた。警備員が水をかけ、すぐに消化。「なぜ燃やしたのか?」。後で駆けつけた管理会社の担当者が尋ねると、男性はしっかりした口調で答えた。

 「部屋のごみを燃やして消そうと思った」

 男性は以前から、マンション入り口の集合玄関で他の部屋の呼び鈴を押す姿が防犯カメラで確認されていた。鍵の使い方が分からなくなり、オートロック式の集合玄関を開けるために呼び鈴を押して他の住民に開けてもらうなど、認知症が疑われる行動がみられたという。

 担当者は別居する親族に連絡したが、「関わりたくないと言われた」。担当者によると、認知症の疑いがある住民によるトラブルが最近、増えつつあるという。

 全国マンション管理組合連合会の川上湛永会長(74)は「プライバシーを大事にする人が多いマンションでは認知症の住民がいてもわからない。ただ、最近になって、問題が顕在化してきた」と話す。

 認知症の初期は症状がゆっくり進み、兆候があっても交流が少ないマンションでは周囲も気が付きにくい。集合玄関がオートロックだと民生委員も入れず、徘徊などの行動が現れて初めて表面化する。

 認知症の住民は今後も増えると予想され、マンション業界に不安が広がっている。業界団体のマンション管理業協会は15年、管理会社16社を対象に認知症やその疑いがある住民によるトラブルを初めて調査。「共用部分の廊下を徘徊する」「鍵を開けられない」「トイレに汚物をためて階下に漏水させる」など93件の報告が寄せられた。その多くが、一人暮らしの高齢者だった。

 川上さんは「認知症の住民が増えるのは間違いない。もはや避けて通れない問題だ」と危機感を募らせた。

岡管連から

 マンションは、よく「日本社会の縮図」だといわれています。

 まさにその通りで、高齢化社会において、特にマンション住民の無関心さが「認知症の進行」を助長しているといっても過言ではないでしょう。

 岡管連がテーマとして掲げています『マンションの二つの老い』そのものの一つであります。

| 2017年8月19日 | カテゴリー 二つの老い 

マンションにおいて認知症とどう付き合うのか

 2017年の日本マンション学会全国大会が、4月22日(土)・23日(日)の2日間、名古屋で開催されます。

 4月22日(土)午後のメインシンポジウムでは、『マンションにおいて認知症とどう付き合うのか』、というテーマでの講演とディスカッションが行われます。

 4月23日(日)の午後には、名古屋市千種区の築40年以上のマンション群と、近年建てられたマンション群の見学会などが企画されています。マンション学会会員だけでなく、一般の方も参加可能ですので、是非ご参加ください。

 詳しいご案内・お申込み等は、次のホームページでご確認ください。

   http://www.ccg-chubu.org/gakkai2017HP/top/top.html

           大阪大会より

     マンション学会大阪大学(5)

| 2017年4月05日 | カテゴリー 二つの老い 

管理会社には明確な情報を

1 「二つの老い」では、組合の運営に支障が出る場合も想定されます

  老朽化マンションでは、さまざまな問題が発生します。

  空き家化や賃貸化が進み、理事のなり手がなく、所有者が不明で管理費の滞納も起こります。

  このため維持管理が困難になるケースもあります。

  こうした状態が長く続けば、売るに売れないなどの末期症状に至ることもあるため、入念なプランニング

 が必要です。

  また、居住者の高齢化は理事の選出を困難にするだけでなく、日常生活にも影響を与えます。

  「マンション総合調査」によると、マンション居住者の半数以上が60歳以上であり、永住意識も半数

 以上を占めています。

  高齢化するほどサービスが必要になりますが、支払える費用負担能力は低下します。

  管理組合はどこまで関わるべきか。管理会社がサービスを提供するだけで対応できるのか。

  どの管理会社のサービスが自分たちのマンションに適しているのか。

  高齢化に備え、組合自身のあり方を含め、さまざまな事柄を検討することが必要です。

2 管理組合を支援する管理会社の役割も大きくなりますね

  マンションの中の変化や外の環境の変化に適応していくため、管理組合を支援する管理会社の役割は

 ますます大きくなっています。

  マンションに応じた、時代に応じた適正なサポートが必要です。

  管理会社でもさまざまなサービスを開発しており、ホームページでも情報が得られますから、自ら把握

 することも大切です。

  同時に、管理組合が管理会社と良好なパートナー関係を築くことが大切です。

  まずは管理組合が自分たちのマンションの状態や、住人の要求をきちんと把握し、管理会社に何をどう

 求めるのかを明確に決めて伝えることが重要です。

  マンションストックは、市場で資産価値の評価を得ることになります。

  高い評価を得るには、適正な維持管理が必要です。

  資産価値の維持・向上のためにも、適正な維持管理は、いかなる区分所有者の利益にもつながる共通の

 目的となるはずです。

(岡管連から)

 築年数が経過することにより、相続人の不明による管理費等を誰に請求すればよいのか、問題になっている実態があります。

 65歳以上のマンション居住者が半数を超えてくると、『限界部落』ではないが、『限界マンション』といわれることがあります。

 『限界マンション』が進んでくると、管理組合の運営が困難になり、『スラム化マンション』に陥ります。

 管理組合が管理会社に管理・運営等を丸投げすれば、さらに『スラム化』に拍車を掛けることになります。

 このような状態を防ぐには、早いうちから管理組合の『自主・自立』が求められています。

| 2016年11月15日 | カテゴリー 二つの老い 

維持・生活・運営を管理する

2 生活管理では何をするのでしょうか

  マンションではペットの飼育や、ピアノなど近隣間の音、路上駐車の問題など、共同生活に関わる問題が

 数多くあります。

  国土交通省の「マンション総合調査(2013年度実施)」でも、「居住者間のマナー」によるトラブル

 が最も多くなっています。

  これらの問題は深刻かつ解決しにくいため、時には裁判にまで発展します。

  しかし、裁判をしても簡単に解決できるものではありません。

  トラブルが発生しないようにルールを作り、順守を促すことが重要です。

  また、東日本大震災では人々の共助が生命や生活に大きく寄与しました。

  人々が自然と助け合える関係を作るために、住民間交流を促すイベントの実施や、防犯・防災活動、地域

 との連携を築くこともマンション管理の大きな役割です。

3 運営管理は資産価値にも直結しますね

  維持管理と生活管理を実施するためには、組織の運営や共用施設の運営を担う運営管理が必要になり

 ます。

  建物のメンテナンスや共同生活のルールを決めるため、必要な話し合いをする、必要なお金を集める、

 そのお金を運営するなど、組織を管理する作業が必要です。

  これはマンションの資産価値を維持・向上するための経営的側面ともいえます。

  こうした3つの側面を実行するために、マンションの区分所有者全員で構成される管理組合が欠かせ

 ません。

  日本では、マンションでの永住意識が高いため、年数を経るほど、居住者も高齢化する傾向が見られ

 ます。

  こうしてて築年数のたったマンションで、建物が老朽化し、人も高齢化するといった「二つに老い

 が問題になっています。

  しかし、人もマンションも突然年をとるわけではありません。

  計画をもって管理を行うことの意義がますます重要になります。

(岡管連から)

 平成25年度の『マンション総合調査』では、マンションでの永住意識が5割を超えました。

 築年数が10年以上超えると、建物等の劣化を検討する必要がありますし、マンションのコミュニティが希薄になってきます。

 マンションの二つの老いの問題は築20年以上経過すると、マンションの居住者に少しずつ忍び寄ってきて、管理組合の意思決定に重要な支障をきたす恐れが出てきています。

| 2016年11月13日 | カテゴリー 二つの老い 

重要性増すマンション管理

 日本でマンションが供給されるようになってから半世紀。第1次マンションブームで造られたマンションも「50歳」となり、築年数のたったマンションが増えてきている。

 しっかり管理している場合とそうでない場合とで、マンションの資産価値にも歴然たる差がつくため、マンション管理組合と管理会社の役割は重要だ。

 マンション管理のポイントについて、横浜市立大学国際総合科学部教授の齋藤広子氏に聞いた。

維持・生活・運営を管理する

1 マンション管理では具体的に何をするのでしょうか

  大きく分けて、

  ① 維持管理(メンテナンス)

  ② 生活管理(コミュニティーライフ)

  ③ 運営管理(マネジメント)

  の側面があります。

  建物を安全に長く使うため、維持管理は欠かせません。

 共用部分である廊下や階段、エレベーター、駐輪・駐車場、集会所などの日常的な清掃に加え、設備の

 点検・修理などが必要です。

  特に重要なのが「長期修繕計画」です。計画に基づいて外壁や屋上防水、設備の取り替え工事などの

 大規模修繕をすることが必要です。

  また、専有部分のリフォームのコントロールも重要です。

  専有部分は各区分所有者の所有ですが、勝手なリフォームを許すと、上下階の音とのトラブル発生や

 建物自体を傷めることにもなりかねません。

(岡管連から)

 『マンションの二つの老いへの対応』は、管理組合の運営が『自主・自立』ができるかによって、『マンションの2極化』につながるものと考えています。

 マンションの専有部分の修繕等に関して言えば、岡管連が取り扱った事例では、次のようなことから、『専有部分の修繕等に関する細則』の策定に関わりました。

 ①中古マンションの外部購入者がマンションに転居するに際し、専有部分のリーフォームを行った。

   外部購入者は、マンションで生活するということを理解していなかった。

 ②リフォーム業者がマンションでのリフォーム工事の実績がなかった。

 ③管理組合が想定していた工事ではなく、専有部分の間取りを全面変更した『リノベーション工事』

  であった。

 ④マンションの専有部分の修繕等に関する手続く規定が未整備であった。

(注)『専有部分の修繕等に関する細則』の規定は、次のことを目的に作成されたものです。

    ・共用部分等に影響を与えない工事であること。

    ・他のマンション居住者に騒音・振動その他影響を与えない工事であること。

| 2016年11月11日 | カテゴリー 二つの老い 

築41年のマンションの未来像を見据えて

1 はじめに

  ・・・略・・・

2 1つ目の「老い」・・・マンションの老朽化

 築30年を数えるころから、様々な部分に老朽化の病状が現れるようになりました。

 25年前、給排水管交換工事が必要となった時に少なからぬ金額を臨時徴収した苦い経験に懲りて、現在は修繕積立金を全戸平均12,000円ほど徴収していて、大規模修繕工事を2度できる位の残高となりました。

 ・・・略・・・

3 2つ目の「老い」・・・居住者の高齢化

 マンションが古くなるに連れて、居住者も年を重ねてきました。

 65歳以上の高齢者が居住する住戸は、全戸の半数以上となっています。

 1人暮らし、夫婦、家族と生活の形は様々ですが、毎年悲しいお別れ等で1人暮らしになるケースもあります。

 当組合ではコミュニティを深める行事として、毎年前庭で行う夏祭りと、日帰りバス旅行を実施してきました。

 ・・・略・・・

4 むすび

 当組合は、今や高齢者マンションと言えるでしょう。

 当組合の役員も、大半が65歳以上ですが、若手の居住者が仕事を理由に役員を辞退するのが大きな理由です。

 しかし、これから10年先、20年先の未来像を考えると、建物の老朽化については建替えであれ、売却やその他の方法であれ、対策を進めるための組合員の合意形成には時間がかかります。

 これらの再生方法のなかには、高齢居住者にとって辛いものもあるでしょう。

 どこにポイントを当てて進めて行くべきか、 早く論議の場所を作りたいと考えています。

 ・・・略・・・

                 宮の森グランドハイツ管理組合法人(札幌市) 理事長 伊沢 昌太郎

(岡管連から)

 上記の下線部は、いわゆる『限界マンション』と言われるものです。

 これまでもマンションの『2つの老い』について取り上げてきましたが、上記の「むすび」にもありますように、『組合員の合意形成』つまり、民主主義による『管理組合としての意思決定』ができなくなる結果、管理組合が機能不全に陥る恐れがあります。

 そのようなマンションは、『スラム化マンション』になってきます。

| 2016年1月17日 | カテゴリー 二つの老い 

【子どもいる世帯を逆転/14年厚労省調査】

 65歳以上の高齢者世帯が、2014年に全世帯の24.2%となり、18歳未満の未婚の子どもがいる世帯(22.6%)を初めて上回ったことが2日、厚生労働省が発表した国民生活基礎調査でわかった。

 1221万4千世帯と推計され、過去最多。少子高齢化の進展を反映した。

 子どもがいる世帯は調査を開始した1986年の46.2%から半減。

 世帯数は1141万1千で、数、割合ともに過去最少だった。

 平均子ども数も1.69人で最も少なかった。

 厚労省は「将来的にもこの傾向は続くのではないか」と分析している。

(岡管連から)

 高齢者世帯の増加は、マンションの場合も他人ごとではなく、『二つの老い』と言う問題と大いに関係があり、今後、マンションの管理・運営等にとって、大きな影を落とすものと考えています。

| 2015年12月09日 | カテゴリー 二つの老い 

【管理組合の現状と課題】

 当管理組合は、居住区分所有者の高齢化が進み、賃貸化率も約50%と高い状況になっています。

 このため、理事等の役員になる人材の不足を招き、特定の方が役員を続けざるを得ないという固定化が続いてきました。

 これまでは、自薦、他薦を基本に役員を選出してきましたが、前回の総会で輪番制を採用してはどうかとの提案も出されました。

 輪番制を採用した場合にどのような問題があるか等について、マンション管理に関する専門家の団体などの情報を参考にしながら、管理運営の機能低下を招かない理事会運営を目指し、今後の課題として検討することにしています。

【2重の老いへの対応】

 建築や設備機器の高経年に伴って劣化が進むと、維持修繕費はこれまで以上に掛かります。

 しかし、居住する区分所有者の高齢化が進むのに伴って、経済的にゆとりがない世帯も増えるため、管理費や維持修繕積立金の値上げができないなど、2重の老いによる様々な問題が発生しています。

 このことから、日常の維持修繕を徹底して長期修繕の費用の抑制を計っています。

 この他、高齢者が安心して暮らせるようにするため、日常の安否確認、緊急連絡先の把握、災害時の救助体制など、マンション単独の町内会と連携した取り組みを目指しています。

                 (一部抜粋)ラポール錦町管理組合(仙台市)前理事長 中居 浩二

(岡管連から)

 岡管連では本年度、『マンションアドバイザー派遣事業』を実施中です。

 詳しいことは、岡管連ホームページにありますバナー(マンションアドバイザー派遣)をご覧ください。

 管理組合様に専門家を派遣し、管理組合様への御支援・ご相談等を行なっています。

| 2015年12月07日 | カテゴリー 二つの老い