今回の訴訟で認められたのは「損害賠償」
前回(2)の「停止請求」とは異なり、今回報道された訴訟では「損害賠償」が認められています。
毎日新聞の記事にもあるように、分譲マンションの区分所有者に対して損害賠償を命じる判決は極めて異例です。
賃貸借契約では契約に定められた使い方以外で部屋を使うことは契約違反であり、ヤミ民泊による無断転貸を理由として損害賠償を命じるケースは多くあります。
一方で、区分所有者はマンションの「所有者」なので、自分が所有するマンションの使い方によって他の区分所有者の対する不法行為が裁判所に認められるケースは稀です。
毎日新聞2017年1月14日
大阪・ミナミのマンション1室で外国人観光客らを泊める「民泊」を無断で営業したとして、マンション管理組合の理事長が部屋を所有していた男性に損害賠償などを求めた訴訟で、大阪地裁は13日、男性に50万円の賠償を命じる判決を言い渡した。
池田聡介裁判官は、この民泊営業で起きたごみの放置や騒音トラブルが「他の住民への不法行為にあたる」との判断を示した。
ヤミ民泊の法的リスクは3種類
①刑事責任(無許可営業など):旅館業法違反など刑事訴訟(警察による取り締まり)
②行政責任(許可の取消、営業停止など):保健所等による行政処分
③民事責任(損害賠償請求など):不法行為責任の追及など民事訴訟
以上、「民泊許可.COM」より