マンション民泊問題

今回の訴訟で認められたのは「損害賠償」

 前回(2)の「停止請求」とは異なり、今回報道された訴訟では「損害賠償」が認められています。

 毎日新聞の記事にもあるように、分譲マンションの区分所有者に対して損害賠償を命じる判決は極めて異例です。

 賃貸借契約では契約に定められた使い方以外で部屋を使うことは契約違反であり、ヤミ民泊による無断転貸を理由として損害賠償を命じるケースは多くあります。

 一方で、区分所有者はマンションの「所有者」なので、自分が所有するマンションの使い方によって他の区分所有者の対する不法行為が裁判所に認められるケースは稀です。

毎日新聞2017年1月14日

 大阪・ミナミのマンション1室で外国人観光客らを泊める「民泊」を無断で営業したとして、マンション管理組合の理事長が部屋を所有していた男性に損害賠償などを求めた訴訟で、大阪地裁は13日、男性に50万円の賠償を命じる判決を言い渡した。

 池田聡介裁判官は、この民泊営業で起きたごみの放置や騒音トラブルが「他の住民への不法行為にあたる」との判断を示した。

ヤミ民泊の法的リスクは3種類

①刑事責任(無許可営業など):旅館業法違反など刑事訴訟(警察による取り締まり)

②行政責任(許可の取消、営業停止など):保健所等による行政処分

③民事責任(損害賠償請求など):不法行為責任の追及など民事訴訟

以上、「民泊許可.COM」より

| 2018年8月29日 | カテゴリー マンション民泊問題 

区分所有法による「停止請求」の訴訟は多数

 マンションなどの区分所有建物(いわゆる分譲物件)においては、区分所有法に基づく停止請求が多数提起されています。

 これは、区分所有法6条及び57条に基づき、「区分所有者の共同の利益のため、その行為を停止し、その行為の結果を除去し、又はその行為を予防するために必要な措置」として実施されるものです。

 ここでいう「その行為を停止」とは、ヤミ民泊の停止にとどまります。すなわち、ヤミ民泊を止めることができるに留まります。

以上、「民泊許可.COM」より

岡管連から

 ヤミ民泊に限らず、マンション住民にとって『共同の利益』を侵す、侵す恐れがあるなどの視点で判断されるのではないでしょうか。

 また訴訟を起こす場合、マンション住民の関心の高さも重要なポイントでしょう。

| 2018年8月27日 | カテゴリー マンション民泊問題 

ヤミ民泊ホストに対する損害賠償を認める判決

毎日新聞の報道によると、大阪市内の区分所有者マンションでヤミ民泊ビジネスを実施していた区分所有者(ホスト)に対して当該マンション管理組合が区分所有者に対して損害賠償を請求していた民事訴訟で、原告勝訴の判決が出た。

ヤミ民泊ゲスト(利用者)によるゴミ放置や騒音を、他の区分所有者に対する民法709条の不法行為と認定した模様。

民法第709条(不法行為による損害賠償)

故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害したものは、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

以上、「民泊許可.COM」より

岡管連から

マンション住民の『共同の利益』の観点からの判断であろう。

管理組合としては、『ホスト不在型の民泊』には注意を払う必要があろう。

| 2018年8月25日 | カテゴリー マンション民泊問題 

東京地裁8・9

 空き部屋に旅行者(ゲスト)を有料で泊める「民泊」を東京都港区のマンションで無断営業したとして、管理組合が部屋を所有する男性に中止を求めた訴訟の判決で、東京地裁が9日、管理規約に違反していると認め、営業の差し止めと弁護士費用約97万円の支払いを命じた。

 判決によると、男性は2015年10月にマンションの1室を購入。民泊仲介大手の米エアビーアンドビーのウエブサイトに、1泊1万3千円と案内を掲載していた。

 管理組合は16年4月、臨時総会で管理規約を改正。不特定の人が宿泊する施設として部屋を使用することを禁止し、第三者に貸し出す場合は一か月以上と定めた。民泊営業が続いたため提訴した。

岡管連から

 施設を一か月未満かつ、有料で宿泊させる場合、旅館業の営業許可が必要であるが、当該被告人は、当初から民泊が目的であったのではないか。

| 2018年8月23日 | カテゴリー マンション民泊問題 

奈良県からの情報提供

『管理組合の民泊新法への備えは大丈夫?』

奈良県の分譲マンション管理組合の役員の皆様へ、この6月に以下の内容でご案内されています。

1 民泊新法とは

  住宅宿泊事業法(民泊新法)が成立し、本年(2018年)6月15日から、分譲マンションにおいても

 民泊が可能となります。これに先立って、3月15日から保健所への届出受付が既に始まっています。

2 民泊が入ると問題があるの?

  民泊サービスは近年急速に普及している一方、騒音・防犯・防災・ゴミ放置問題、更に民泊アパートでの

 殺人事件まで発生しています。

  この新法民泊は、マンション住民に対して判断と対応を委ねた法律のため、マンションの管理規約に民泊

 を禁止する場合は「住宅専用条項」に加え、「新法民泊を認めない旨の規定」を設定する事が必要ですが、

 「具体的にどんな対応をしたら良いの?」という管理組合も多く、施行されると混乱とトラブルが予想され

 ます。

3 管理組合は具体的に何をすればいいの?

   ①分譲マンションの管理規約に民泊の取り扱いを明確化することが望ましい

   民泊を許容するか禁止するかは各管理組合の判断に委ねられます。いずれの場合にも管理規約にその旨

   を定め、総会で決議(特別決議)する必要があります。

  ②分譲マンションで民泊を実施するためには

   「規約で禁止ではないとの定めがあること」又は

   「管理組合において禁止する意思がないことの確認」が必要となります。

  ③分譲マンションで民泊を禁止するためには

   民泊について管理組合の皆様が周知し、早急に対応することが重要です。まだ、規約改正の対応が

   できていない場合、以下の手順で手続きを進めてください。

   一 理事会で、民泊禁止方針を決議の上、議事録を作成

   二 一の決議内容を掲示、合わせて賃借人・不在区分所有者を含め全戸へ配布(あらゆる方法で

     周知徹底)

   三 総会で民泊を禁止する管理規約の改正(特別決議)

問い合わせ・相談先

 ・分譲マンションの管理規約・改正及びこのチラシの内容に関する相談

   NPO法人 奈良県マンション管理組合連合会

 ・住宅宿泊事業法(民泊新法)に関する問い合わせ

   奈良県観光局、奈良市保健所生活衛生課

 ・マンション管理無料相談の申込み

   奈良県住まいまちづくり課

| 2018年6月21日 | カテゴリー マンション民泊問題 

全管連 会員管理組合にアンケート

 NPO法人全国マンション管理組合連合会(全管連)は3月16日、国土交通省の2017年度「マンション管理適正化・再生推進事業」の採択を受けて行っていた。

 住宅宿泊事業法(民泊新法)の施行に伴う「自主管理組合を主対象とするマンションアンケート調査」の結果報告書を公表した。

 回答した組合の91.5%が民泊禁止を決めており、「許容する」と答えたのは0.3%。

 改正されたマンション標準管理規約に民泊の可否に関する条文が新設されたことを知らない管理組合が38.8%に上っている。

 ただ、管理規約を改正しない場合、事業者が届け出を行えば民泊ができることを知っていたのは66.7%にとどまり、「知らない」が32.8%に達していた。

 報告書は全管連ホームページで公開中。 http://www.zenkanren.org/

 

| 2018年6月19日 | カテゴリー マンション民泊問題 

違法民泊排除で連携/仲介業者、団体設立へ

 一般住宅の空き部屋などに宿泊客を迎える「民泊」をめぐり、「百戦錬磨」などの仲介業者6社が23日、国土交通省で会議を開き、違法民泊の排除に向けて連携することを確認した。

 6月15日の住宅宿泊事業法(民泊新法)の施行を見据え、業界団体の設立に向けた準備を進める。

 仲介業者を利用する民泊事業者らに対して、関係法令の周知・広報などに取り組む。

 全国各地で必要な許可を得ないまま営業する「ヤミ民泊」が広がっている。

 民泊新法では、民泊事業者から仲介サイトへの物件掲載の申込みがあった場合、仲介業者が届け出状況などを確認すれば、違法民泊を排除することが可能だ。

時事通信社5・23

| 2018年6月17日 | カテゴリー マンション民泊問題 

違法民泊、警察に情報提供を/政府、都道府県に通知

 政府は5月21日、違法民泊対策を話し合う関係省庁会議を開き、繰り返し指導をしても無許可営業を続ける悪質な業者について、都道府県に警察への情報提供を要請することを確認した。同日付で各都道府県に通知を出した。

 連絡会議では、厚生労働省の生活衛生・食品安全審議官が「違法民泊をしっかり取り締まって、健全な民泊の推進へ協力をお願いしたい」と呼び掛けた。 旅館業法では、一般住宅の空き部屋などに旅行者を有料で泊める民泊は、都道府県の許可がなければ営業はできない。しかし、実際には無許可営業が横行し、騒音やゴミ出しなどをめぐって利用者と近隣住民との間でトラブルが起きている。

時事通信社5・21

岡管連から

 住宅宿泊事業法、いわゆる『民泊新法』が本日をもって施行されました。

 民泊事業者の届出は3月15日から既に開始されていて、マンションなど一般の住宅で民泊営業が本日からできるようになりました。

 民泊新法での民泊営業の届出を行わない『ヤミ民泊』の横行が指摘されています。

| 2018年6月15日 | カテゴリー マンション民泊問題 

全国マンション管理組合連合会(全管連)では、民泊に関するご意見を募集しています。

全管連のホームページからご応募ください。

http://www.zenkanren.org/

 

| 2018年5月13日 | カテゴリー マンション民泊問題 

岡山県内 初日はゼロ

 一般住宅に旅行者らを泊める「民泊」の営業を希望する家主らの事前受け付けが15日、都道府県など全国の自治体で始まった。

 自治体からは地域活性化への期待の一方で、住民トラブルを懸念する声も上がった。

 6月15日の住宅宿泊事業法(民泊新法)の施行により、都道府県などに届け出た家主ら事業者は年間180日まで民泊営業が可能となり、ホテルや旅館が原則営業できない「住居専用地域」でも認められる。ただ環境悪化を懸念し、条例で営業地域や期間を規制する動きも広がっている。

 観光庁によると、初日は午後4時までに全国で8件あった。

 岡山県内では県と岡山市、倉敷市が計7か所の保健所で受け付けたが、届け出はインターネットを含めてゼロ。倉敷市には2件の問い合わせがあった。県生活衛生課は「消防法の条件などをクリアする必要があり、営業希望者はなるべく地域の窓口に事前相談してほしい」としている。

 民泊仲介業者の登録も始まり、仲介サイト最大手のエアビーアンドビーなど6件の申請があった。同社は「ヤミ民泊」と呼ばれる違法物件を排除する方針を表明した。

| 2018年3月17日 | カテゴリー マンション民泊問題