建物状況調査について(その1)(3)/マン管通信2018・4 - NPO法人岡山県マンション管理組合連合会

建物状況調査について(その1)(3)/マン管通信2018・4

管理組合として

建物状況調査への対応と管理組合にとってのメリット

 管理組合として建物状況調査への対応に向け、どのような準備が必要でしょうか。

 建物状況調査をすることによって建物の劣化事象等を明らかにすることとなりますので、管理組合(組合員)にとって一見デメリットしか無いように思われるかもしれません。

 しかし、建物状況調査をすることにより、

①調査依頼者(売主もしくは買主)から建物状況調査の情報を得ることで、劣化事象等を知ることができ、

 修繕計画に反映させることができる、

②建物の維持管理に対する組合員の関心が喚起される、といった管理組合としてのメリットが考えられます。

 また、区分所有者にとっては、

③マンションの適正な価値を反映させた取引ができる、といったメリットもあるでしょう。

 法改正の趣旨(良質の中古住宅を安心して取引ができるようにする。)や上記のメリット等を予め理解していただき、管理組合として「円滑な建物状況調査の実施」にご協力をお願いいたします。

 具体的には、調査依頼の承諾(調査依頼者は調査結果報告を管理組合へ提出することとする等、予め承諾のルールを決めておくことも考えられます。)や調査申込時に必要となる図面の開示(設計図書や長期修繕計画書等)、調査時の立会い(鍵の開閉など)等をお願いいたします。

 今後、建物状況調査を上手に活用することで、どのように将来のマンションの資産価値を維持させるかが重要となっていくことでしょう。

(著)一般社団法人 住宅瑕疵担保責任保険協会 事務局次長 杉田 宜邦

2018年6月13日 | カテゴリー 豆知識