偽装問題

【東洋ゴム免震性能不足 新たに90棟/山陽新聞朝刊】

―チェックの甘さ露呈―

 国の性能基準に満たない東洋ゴム工業の免震装置が、新たに25都道府県のマンションや病院、学校など90棟で使用されていたことが21日分かった。

 3月に55棟で性能不足が見つかった時点では問題拡大の可能性を否定していただけに、同社のチェック体制の甘さが露呈した形だ。

 国土交通省は既に原因究明と再発防止策の検討を始めており、免震ゴムの認定制度の信頼維持に向け、検査体制の強化を進める。

 新たに発表した90棟の所在地は、愛知の13棟が最多で、次いで静岡の12棟、東京の11棟など。岡山は1棟、香川2棟。

【免震不足 新たに90棟/朝日新聞朝刊】

―東洋ゴム 国へのデータ偽装か―

 免震ゴムの性能偽装問題で、東洋ゴム工業は21日、3月13日に公表した55棟以外にも、マンションなど99棟で、国土交通省から認定を受けた基準を満たしていないか、満たしているかを確認できない製品が使われていたと発表した。

 また、認定を求めた申請17件の一部に、データを偽装した疑いがあることを明らかにした。

【東洋ゴム免震不正/毎日新聞WEB4・21】

―新たに90棟判明 不明製品使用も9棟―

 今回新たに判明したのは、マンション52棟、病院9棟、ホテル5棟、学校5棟、庁舎4棟など。

 同社はこの99棟の安全性調査を速やかに実施し、性能不足の製品はすべて取り換える方針。

(岡管連から)

 岡山でも、免震ゴムが基準に適合していない建物があることには驚きました。

 基準に適合した免震ゴムに取り換えるにしても、今の状況では、すぐには対応できないでしょう。今後、1年以上かけて行われるものと思われます。

| 2015年4月23日 | カテゴリー 偽装問題 

【朝日新聞朝刊3・26 免震不足 拡大の疑い】

―東洋ゴム 新たに195棟―

 マンションなどの建物に使う免震ゴムの性能偽装問題で、東洋ゴム工業は25日、これまで公表した以外の製品でも国の認定基準を満たしていない疑いがある、と発表した。

 同社の免震ゴムは、公表した55棟以外に195棟で使われており、問題はさらに広がる可能性が出てきた。

 東洋ゴムは195棟をすべて調べる。まず、公表した不適合品に似ている製品が使われた129棟から調査。

 このうち51件のデータを解析したところ、免震性能の数値を操作した形跡があったという。

 残りはデータの解析に手間取り、終えるまで2勝間程度かかる見通しだ。

【山陽新聞朝刊3・26 129棟 新たに疑い】

―東洋ゴム調査 同じ担当者関与―

 東洋ゴム工業は25日、免震装置のゴムが国の性能基準を満たしていなかった問題で、公表済みの製品以外にも基準に適合していない性能不足の製品を出荷した可能性が生じたと発表した。

 この製品を使用したマンションや病院など新たに129棟の調査を開始した。所在地などは明らかにしていない。

 先に発覚したデータ改ざんに加わった担当者が、今回の製品でも不正をしていた疑いがあるという。

 既に18都府県の55棟に性能不足の免震装置が使用されたことが判明しているが、被害がさらに拡大する恐れが出てきた。

 国土交通省は同社に事実関係の調査と建物所有者への説明を急ぐよう指示した。

                                    *下線は、こちら側で記載。

| 2015年3月31日 | カテゴリー 偽装問題 

【安全軽視の姿勢改めよ】

 地震国に暮らす国民への背信行為である。

 東洋工業ゴムが製造した免震装置のゴムに、国土交通大臣の認定基準に満たない性能不足の製品があった。

 免震ゴムは建物の基礎などで使われ、伸縮で地震の揺れを吸収する機能を持つ。その能力が不足していたのに、製品データを偽って販売していた。

 同社はすべての建物の安全をすみやかに再確認し、改修や製品交換を急ぐべきだ。

 財産価値が下がるなどの理由から公表されていない共同住宅などについても、利用者に誠実に伝え、不安にこたえる責任がある。

 同時になぜこんなことが起きたのかを調査し、公表してほしい。

 理解できないのは、子会社で不良品の可能性が浮上した昨年2月以後も1年間、不良製品が出荷され続けたことだ。

 確証を得るのに手間取ったとしても、危機感が薄すぎないか。

 東洋ゴムでは07年にも建築用断熱パネルの試験データ偽装が発覚し、社長が辞任した。

 その際、「2度とこのようなことを起こさない」ため、品質管理を経営の中核にすると発表した。

 にもかかわらず偽装を繰り返すようでは、安全を軽視する姿勢が改まっていない、といわれても仕方ない。

| 2015年3月29日 | カテゴリー 偽装問題 

 東洋ゴム工業による免震ゴムの性能偽装問題が、波紋を広げている。

 ゴムの伸縮で揺れを吸収するとの触れ込みだったが、3製品で大臣認定を得る際のデータ改ざんが発覚。

 2製品はデータこそ正しかったが、認定後に基準からはずれた不良品が出荷されていた。

 安心と信頼が根本から揺らいでいる。

【住んだまま工事可能】

―免震ゴムの交換 費用10億円超も―

 業界団体によると、免震構造ビルは国内に約3300棟ある。

 1棟の建物には、通常で数十基の免震ゴムが使われている。

 東洋ゴム工業製品で問題になった、揺れを吸収する機能を持つ「高減衰タイプ」の合成ゴムを使ったビルは700棟ほど。

 価格は1基が数百万円で、ゴムの耐用年数はやはり60年程度という。

 どうやって交換するのか。ゼネコン関係者によると、免震ゴムの周囲を油圧ジョッキで支え、建物を持ち上げて抜き出し、新品と入れ替える。

 安全確認のため、建物を補強材などで支えれば、マンションの住人が住み続けながら工事を進めるのは可能という。

 工事の期間は、かける人手や機材の数にもよるが、準備も含めて数カ月程度と見込まれる。

 大規模なビルになると、総費用は10億円以上に膨らむこともある。

(岡管連から)

 マンションの場合、免震ゴムの耐用年数を考えると、管理組合として、60年後の費用負担に備える必要が出てきます。

 その免震ゴムの取替え費用として、1億円程度が想定されるのではないでしょうか。

 免震ゴムを採用したマンションでは、本来の建物等の維持管理費用としての修繕積立金以外に、免震ゴム取替え費用も積み立てておく必要が出てくるでしょう。

                                    *下線は、こちら側で記載。

| 2015年3月21日 | カテゴリー 偽装問題 

【東洋ゴム 免震装置問題】

―再発防止に課題―

 東洋ゴム工業が免震装置のゴムで国の認定を得る過程で、国土交通省は同社の実験データの不正を見抜けなかった。

 太田昭宏国交相は17日の記者会見で「今後は厳しく判断する」と語気を強めたが、現行制度は国交省が性能確認や定期検査を直接実施する仕組みになっておらず、再発防止策は十分とはいえない。

 日本免震構造協会のような民間の性能評価機関は、原則として企業が提出した実験データを基に審査する。

 防火シャッター不燃材など実際に燃やして確認するケースもあるが、免震ゴムの場合は製品に振動を与えるような実験はしない。

 専門家が提出書類の内容を検証し、揺れを抑える効果が国の基準を満たしているかどうかを評価するだけだ。

 免震ゴムは国の認定がないと建物に設置できないが、現在は一度認定を受ければ定期検査や第三者によるチェックは求められない。

 そのため品質の維持には「企業の管理能力と良識が問われる」。

(岡管連から)

 この問題は、マンション住民にとってはゆゆしき問題であり、その問合せの多くは、マンション住民からである。

 免震ゴムが国の基準を満たしていないということは、『欠陥マンション』ともいえるのではないだろうか。

| 2015年3月19日 | カテゴリー 偽装問題 

(山陽新聞朝刊3・14)

【免震データ改ざんか】

 国土交通省は13日、東洋ゴム工業の子会社が製造・販売した免震装置のゴム材料の一部が、建物の揺れを抑える性能の基準を満たしておらず、不正な申請書を提出して国の認定を受けていたとして、認定を取り消した。

 基準を満たしていない免震材料のゴムは神奈川、宮城、香川など18都府県のマンションや病院、庁舎、倉庫など計55棟で使用されている。

 国交省はこれらの建物が安全かどうか、調査するよう東洋ゴム工業に指示した。

 国交省の担当者は「(個別物件の)危険性が明らかになれば、必要なものは公表する」と説明した。

【免震装置】

 建物に伝わる地震の揺れを吸収、軽減するための緩衝装置。ゴムや金属などを組み合わせた円柱状の装置を、建物の基礎部分に設置するケースが一般的。

 近年建設された高層ビルやマンション、ホテルなどには標準的に採用されている。

(山陽新聞朝刊3・15)

【相談950件 不安相次ぐ】

 東洋ゴム工業は14日、免震装置のゴムの不正問題で、相談窓口への電話が午後6時までに約950件に上ったと明らかにした。

 大半は「自分の住むマンションは大丈夫か」と確認を求める内容で、不安を訴える声が相次いだ。窓口は13日に開設していた。

 東洋ゴムは今後1か月間ですべての物件の調査を終え、問題があれば部材交換するなど1年以内の改修を目指している。

 改修時には居住者が一時的に退去を余儀なくされる可能性もあり、同社は「仮住居の確保や補償にはしっかりと対応する」と説明している。

(朝日新聞朝刊3・14)

【免震装置 データ偽装】

―東洋ゴム 国認定取り消し―

 55棟の所在地は宮城、東京、愛知、福岡など全国18都府県にわたり、使われた問題の製品は計2052基。

 建物はマンションなどの共同住宅25棟、役所の庁舎12棟、病院6棟、倉庫4棟など。

 15階建て以上が約10棟で、最大は30階建て。

 東日本大震災で震度6強~6弱だった仙台市の計3棟は、震災後に管理会社などから「建物の構造に損傷はない」と報告を受けたという。

 国交省は個別の建物については詳細を明らかにしていない。

(岡管連から)

 偽装問題で思い出すのが、かつて起きた『マンション構造計算書偽装事件』を連想すると思います。

 本来、マンションは地震や津波に強いと言われていますが、このような問題が起きると、『マンションの安全性』が根底から崩れます。

| 2015年3月17日 | カテゴリー 偽装問題