二つの老い

~クローズアップ現代+(5・30)より~

東京オリンピック選手村の跡地に整備される、タワマンを中心とした晴海フラッグでは約1万2千人が暮らす計画となっている。

5千万円からの部屋が展示されている。

2000年時代に入って増えたタワマンの人気を支えてきたのは、海外からの投資マネーだった。

外国人投資家向けに不動産を紹介している会社では、海外からの買いが減っただけでなく、物件の売却も増えているという。

そんな海外の投資家に代わり、共働き世代の「パワーカップル」がタワマン購入を支えている。

海外フラッグが建設される東京中央区には58棟ものタワマンが乱立している。

そのおよそ3分の1は、再開発事業として区が支援していた。

あわせて1102億円の補助金が投じられた中央区の建設は、容積率の緩和で増えていった。

容積率とは敷地面積に対して、どのくらい床面積を作ることができるかを定めた基準となっている。

中央区晴海地区ではかつて、5階を超える建物がなかったが容積率を緩和したことにより、50階建てのマンションを建設することが可能になった。

中央区ではタワマンの建設を進めた結果、20年で人口が倍増した。

しかし、この中央区が人口増加で駅に人があふれたり、暮らしへの影響が深刻になりかねないので、住宅の容積率緩和の原則廃止を決定した。

長嶋さんは増え続けるタワマンについて、「住宅の量がどうなるというコントロールを自治体も国も行っていない状況で、中央区はそれをしようとしている。住宅量をコントロールしていないのは、世界でも日本だけ」などと話す。

そして、萩原さんはマンションに何を問われているかについて「マンションは運命共同体」とし、深山さんは「ビジョンとチームワークでヴィンテージを目指せ」、長嶋さんは「管理力と資産格差」とそれぞれ語った。

| 2019年6月17日 | カテゴリー 二つの老い 

~クローズアップ現代+(5・30)より~

東京都内にある24階建てマンションでは、515戸の所有者で構成される管理組合の代表理事が7年前に積立金の値上げを実現していた。

1年の間に何度も説明会を実施し、値上げの必要性を訴え続けて実現したが、2年後の大規模修繕工事での見積もりを取ると見込みより6千万円上がっていた。

法律でタワマンは高層階での足場が組めないので、特殊な機材を必要とする。

マンションの形状によっては、特注で部品を作成したりゴンドラを増やさなければならず、費用が高額になるという。

今月、管理組合の理事会が開かれ、大規模修繕工事の変更をすると発表した。

建物の状態が予想よりも良かったので、工事の時期を当初の3年後にして、不足の6千万円を積み立てることにしたという。

今回、管理組合の理事長にアンケートを取ると、管理の悪いマンションが廃墟になって、明暗を可視化するしかないなどの声が上がった。

深山さんは、修繕積立金での住民の合意について「自分たちのマンションはどこに向かうのか、大きな目的を示さないと動きづらい」などと述べた。

その積立金は段階的に上がる「段階増額積立方式」と、当初から積立金が変わらない「均等積立方式」がある。

現在は7割のマンションで段階増額積立方式が採用され、萩原さんは「最初に安い方がマンション購入者にとって嬉しい」などと話した。

この問題を調査した藤島さんは「維持管理は所有者や住民に丸投げ。公的な機関がマンションの老朽化のチェックをし。管理組合に修繕の必要性を助言する政策が必要」と。

| 2019年6月15日 | カテゴリー 二つの老い 

~クローズアップ現代+(5・30)より~

白井さんは、新築時代から管理組合がなかったマンションにやってきた。

このマンションでは、修繕積立金を集めてこなかったので、3年前から水浸しだった。

マンションの建て替えを目指す白井さんは、建て替えに必要な住居者5分の4の同意を得ようとしていた。

登記簿を取り寄せると、部屋の所有者の住所が上海になっていたことに白井さんは気付く。

白井さんは不動産業者を通し、所有者に連絡を取ろうとしたが連絡が取れなかった。

建設ラッシュから10年以上が経ち、一斉に修繕時期を迎えるタワーマンションに至っては、修繕積立金が不足しているので、修繕工事ができなくなる恐れがあるという。

多くのマンションでは、入居当初の積立金が低く設定されているが、その後修繕するために段階増額積立方式でなければならない。値上げするにはその都度、所有者の合意が必要だが、東京都のマンションでは、理事会で反対されたので、値上げが一度もできていなかった。

| 2019年6月13日 | カテゴリー 二つの老い 

~クローズアップ現代+(5・30)~

マンションの空き室が増えると管理費などが滞納されやすく、修繕計画に影響が出て老朽化に手が打てない場となって資産価値が下がる問題がある。

この問題について萩原さんは「マンションを仮の住まいにして、値上がったら売却しようとする人が多かった。

しかし、マンションは値上がりせずにローンをたくさん抱えている人は身動きができなくなった」などと述べた。

そして、長嶋さんは「介護の問題になって所有者と連絡ができなくなったという問題が増えている。

こういったケースには、個別に対応していかなければならない」などと解説した。

アンテナが折れて衛星放送が視聴不能になったが、管理組合の予算がないために修理が行われず、管理費を払わない悪質居住者もいるという悩みが紹介された。

この問題について、マンション管理士は「時効は5年、早めに対応を。管理会社任せにしない。登記簿を取り寄せて所有者に連絡、それが難しければ弁護士に相談」と解決策を提示した。

都内で約780棟22万戸あるタワーマンションは、今後20年でおよそ3倍に増加するという。

| 2019年6月11日 | カテゴリー 二つの老い 

~クローズアップ現代+(5・30)より~

マンションの管理組合をサポートしている「東京都マンション管理士会」では、副理事長が世代交代による相続放棄に注目していた。

マンションの所有者が借金を抱えて亡くなった場合、財産を相続する人は借金も相続しなければならないので、放棄するとマンションの部屋の所有権が宙に浮くケースがあるという。

副理事長が担当しているマンションは水漏れがあった。

マンションの所有者は5か月前に死亡しており、親族からは相続を放棄したので関係ないと告げられた。

管理組合が管理費を負担し、売却も考えた。

しかし、売却する場合は家庭裁判所に申し立て、弁護士などに依頼する必要がある。

そのためには、100万円ほどの費用がかかる。

たとえ売却したとしても、所有者の借金にあてられ、全額が戻らない可能性があるという。

| 2019年6月09日 | カテゴリー 二つの老い 

~クローズアップ現代+(5・30)より~

空き家の調査をする民間会社の調査員に同行すると、人気エリアのマンションに空き室が何室も見つかった。

空き室はその場で外観写真とともに、データベースとともに登録する。

この会社が調査しているのは、不動産会社が把握していない「埋もれた空き室」だった.

賃貸や販売に出ていない空き室や所有者の情報を調べ、不動産会社に提出、データをもとに不動産会社が所有者に売却を促す事で取引につなげようとしていた。

埋もれた空き家は、これまでに調査しただけでも東京23区で5000戸にのぼっていた。

最も多いのは、新宿区、次いで杉並区だという。

所有者の親族は部屋にいなかったが、外に所有者の息子がいて話を聞くことができた。

息子によると、4年前に母親が地方の実家に帰った事をきっかけに部屋の管理を任されたという。

母親は売るつもりがなく、男性もそのままにしているという。

理事長たちは、所有者の息子と管理費の話し合いを続けていく。

このように、マンション所有者が高齢化している。

国の調査では、70代以上の世帯主が初めて2割を超えたことが判明した。

| 2019年6月07日 | カテゴリー 二つの老い 

~クローズアップ現代+(5・30)より~

晴海フラッグなどタワーマンションが増える中、空き室が過去最高の70万戸となっていた。

さらに管理費滞納や、修繕積立金の不足などタワマンは、問題が増えている。

あるマンションでは、解決に向けて模索が続けられている。

空き家活用の会社に登録されている、埋もれた空き室を訪ねた。

東京都新宿区にある、築30年以上のマンションは最寄駅から徒歩10分以内と好立地だった。

おととし、このマンションの管理組合の理事長となった女性は、空き室に気付いて水道や電気が4年前に止められていたことが分かった。

部屋の所有者は、管理費などを4年半滞納していた。

理事長は、マンション管理士の国家資格を持つ専門家に助けを求めると、専門家は、問題の部屋の登記簿を入手していた。

所有者の女性は、20年前に部屋を購入しており、その後、理事長たちは、所有者の親族を探し当てた。

| 2019年6月05日 | カテゴリー 二つの老い 

三つの問題が同時進行

 独居高齢者で問題になるのが、『孤独死』であろう。孤独死が発生すれば、福祉の面で捉えられる場合が多いが、マンションの管理組合の面から見れば、独居区分所有者が死亡すれば、『管理費等の滞納問題』に発展することにもつながります。

 つまり、管理費等を誰に請求すべきか、理事会にとっても頭が痛い問題です。

 基本的には、管理会社では対応できない。当事者である『管理組合と区分所有者』の問題です。

 ところが、管理組合は管理会社任せで、独居高齢者の存在自体、知らないのが本当のところであろう。

 悲しいことに現実的な問題として、管理組合にとって次の三つの問題が同時進行することになります。

 一 独居区分所有者の死亡により空き室化(その後、賃貸化・民泊化に進展か)

 二 独居区分所有者の相続人調査

 三 管理費等の滞納の発生

 これら三つの問題は、団塊の世代の全てが後期高齢者に該当する時期である「2025年」には大きな問題として、管理組合にのしかかってくるものと考えられます。

2025年問題の出口戦略

 管理組合の独居高齢者への対応としては、管理組合自らが常日頃から次の二つの取組みを行うことで、その出口が図られるものと考えられます。

 ①イベント等を通じて、マンション住民同士によるコミュニティ形成への支援・援助等

 ②毎年更新した緊急連絡先等の整備・保管

 この二つの点を管理組合の業務の一つとして、管理規約等に位置付ける必要があります。

| 2018年2月19日 | カテゴリー 二つの老い 

認知症(下) 住民みんなで見守る

 横浜市の霧が丘グリーンタウン第1住宅で、毎週金曜日に開かれる高齢者サロン「ふらっと・ほっと」。女性スタッフの問いかけに高齢の男性が答える。「28?」「本当は82歳」。ちゃめっ気たっぷりの返事に、笑い声が響いた。

 サロンは敷地内の集合所を利用して8年前に始まった。住民の安本とよ子さんが提案し、管理組合が集会所を無料で貸すことを決めた。住民14人がスタッフとして運営を手伝い、午前10時から午後4時まで、好きな時に高齢者が立ち寄って談笑したり、マージャンをしたり、民生委員をかつて務めた安本さんは「お年寄りがつながる場をつくりたかった。毎週顔を合わせれば小さな変化にも気付ける」と話す。

 約400世帯のマンションは1979年に完成。住民は当初からの居住者が約半数と高齢化が進む。管理組合の役員を務める数馬平内さんは「最近、認知症ではと思われる人も見かけるようになった」と話す。

 管理組合は地域包括支援センターの職員を講師に招いて認知症サポーター養成講座を開催。昨年9月、管理組合の役員を含め、住民39人が受講した。今後も毎年講座を開き、その年の班長が受講する。41班の各班長は輪番制で、10年で一回り。安本さんは「10年後には全世帯がサポーター。誰かが面倒を見る、ではなく、全員で見守りたい」と話す。

 「認知症予防に大切なのはコミュニティ―づくり。同じ場所に住み、集会所もあるマンションにはその環境がある」。名古屋市千種区社会福祉協議会の坂井聖士事務局次長は強調する。

 一方、同じマンションで70代の男性が孤立死したことも。その数週間前から廊下を徘徊する様子を周囲の住民が見ていたが、誰も自治会や民生委員に連絡しなかった。坂井さんは「コミュニティーが全体に広がっていなかった。サロンに出でたい人ばかりでもなく、課題はある」としながらも、こう強調する。

 「認知症対策というと大変なイメージだけど、必要なのは『最近、顔見ないな』と近所が気付くこと。地域がSOSをキャッチできれば、認知症の予防にもつながる」

岡管連から

 岡山のマンションの場合、管理組合の管理業務のほとんどすべてを管理会社に丸投げしているため、マンションの住民同士が希薄であり、かつ管理に無関心であるのが実態であり、コミュニティ―に関して、その要因が大きいと思われる。

 そのような状況下で、岡山のマンションでも孤立死・孤独死は、表には出ていないが起きている。これは、最近のマンションのセキュリティが厳重であるがゆえに、社会と閉ざされる傾向にあり、その実態は闇の部分が多い。そのため、地域の民生委員や行政機関が介入できにくいという一面も助長している。

 介護サービスを受けている利用者は、全国で500万人を超えていることも付け加えておきます。

| 2017年8月23日 | カテゴリー 二つの老い 

認知症(中) 組合危機、患者も理事

 約50世帯のこのマンションでは管理組合の役員は輪番制だった。これまでは問題なかったが、一昨年、思わぬ事態が起きた。役員が回ってきた住民の中に、会話の内容をすぐに忘れるなど認知症とみられる男性がおり、理事長になったのだ。管理会社は「男性は前に役員を務めたことがあり発言力もあった。他の住民が様子がおかしいと思っていても何も言えなかったようだ」と話す。

 理事長に就任後、男性は理事会に向けた打ち合わせの内容を何度も管理会社の社員に聞き直し、暴言を繰り返した。理事会後に社員を引き留め、「説明の仕方が悪い」などと8時間にわたって説教したこともある。

 男性があまりに会話内容を忘れるので、管理会社はその後、理事会はもちろん男性との会話はスマートフォンなどですべて録音。会話の内容は他の理事にも伝えていた。任期は1年で、男性は昨年3月に退任。「ストレスで体調を崩した社員もいた。管理会社として、これ以上続けられないという状況になりかけた」」。男性社員は振り返る。

 最近は住民の高齢化や負担の大きさから役員のなり手不足が慢性化。さらに認知症の住民が増え、全国マンション管理組合連合会の川上湛永会長は「今後、運営はさらに難しくなる」と話す。

 川上さんは1月、会長を兼務する日本住宅管理組合協議会で、役員らと「管理組合の役員に認知症の住民を受け入れるべきかどうか」を協議した。慎重論もあったが、「家族同伴など条件付きで受け入れる」という結論に至ったという。「認知症の人は社会参加が少なくなりがち、組合活動が社会との接点になる」のが理由だ。

 ただ、管理会社からは「認知症の役員がいると現実として負担が増える。協議会の考えは楽観すぎる」との声も漏れる。日本マンション学会中部支部の支部長を務める花井増実弁護士は「他の住民に代わって判断するのが役員の仕事。判断能力がない人を役員にするのは違和感がある」と指摘。「外部役員も入れるなど他の方法も考えるべきでは」と話す。

 一方、周囲の理事が支えた例もある。理事会で「認知症は人ごとではない」と受け入れることに。ほかの理事約20人が認知症サポーター養成講座を受け、80歳代の男性理事と一緒に活動した。

岡管連から

 マンションの築年数が30年以上経過すると、マンションの維持管理面と、住民が生活するうえでの医療・介護など健康面という二つの面が同時に訪れます。これがいわゆる『二つの老い』です。

 この二つの老いは、管理組合の運営上、様々な支障をきたす恐れがあります。

例えば、総会の定数不足による意思決定ができない、役員のなり手不足による理事会運営ができない、管理費等の滞納、ゴミの排出ができない、孤独死・孤立死など、その結果、マンションのスラム化、資産価値の低下など。

| 2017年8月21日 | カテゴリー 二つの老い 

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