マンション民泊問題

2 「マンション標準管理規約」の改正

 国土交通省では、昨年8月29日にマンション管理規約のひな型である「標準管理規約」を改正し、住宅宿泊事業を可能とする場合と禁止する場合の双方の規定例を示しました。

 個々の管理組合においては、今回の改正の趣旨を踏まえ、これを参考にして可及的速やかに住宅宿泊事業を許容するか否かを管理規約上明確化すべく議論をしていただくことが極めて重要であると考えております。

 (改正の概要)

 (1)マンション標準管理規約を以下のとおり改正

   ①住宅宿泊事業を可能とする場合

    第12条 区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供しては

     ならない。

    2 区分所有者は、その専有部分を住宅宿泊事業法第3条第1項の届出を行って営む同法第2条第

     3項の住宅宿泊事業に使用することができる。

   ②住宅宿泊事業を禁止する場合

    第12条 第1項は上記と同じ。

    2 区分所有者は、その専有部分を住宅宿泊事業法第3条第1項の届出を行って営む同法第2条第

     3項の住宅宿泊事業に使用してはならない。

 (2)コメント(解説)において、関連の留意事項も提示

   ・家主居住型のみ可能とする場合

   ・住宅宿泊事業の実施にあたり管理組合への届出を求める場合

   ・住宅宿泊事業を禁止することに加え、広告掲載も禁止する場合

   ・住宅宿泊事業を含有する事業を禁止する場合

   の規定例等も提示する。

国土交通省住宅局市街地建築課マンション政策室

| 2018年2月09日 | カテゴリー マンション民泊問題 

 昨年6月、住宅宿泊事業法(以下「法」)が成立し、一定のルールのもと民泊が解禁されることとなり、今後、分譲マンションにおいても民泊が実施され得ることとなります。住宅宿泊事業を営む者は都道府県知事等に届出を行うこととなり、平成30年3月15日から届出の受付が開始されることとになります。

1 住宅宿泊事業法における届出のしくみについて

  住宅宿泊事業は、届出制となります。届出の際、都道府県知事等は、「管理規約等において住宅宿泊事業が禁止されていない旨」を確認(注)することとしています。

 ~法施行要領(ガイドライン)~

 (注)①住宅宿泊事業を明確に禁止する場合のほか、「宿泊料を受けて人を宿泊させる事業」のように、

     住宅宿泊事業を含有する事業を禁止する場合も含む。

 (注)②「管理組合に住宅宿泊事業を営むことを禁止する意思がない」とは、管理組合の総会や理事会

     における住宅宿泊事業を営むことを禁止する方針の決議がないことである。

 (注)③「届出者が管理組合に事前に住宅宿泊事業の実施を報告し、届出時点で住宅宿泊事業を禁止する

     方針が総会や理事会で決議されていない旨を確認した誓約書又は、「法成立(平成29年6月)

     以降の総会及び理事会の議事録」等の書類が考えられる。

 (注)④誓約書には、報告した相手(理事長等)の氏名・役職・連絡先等を記載し、内容について疑義が

     ある場合には、都道府県知事等から管理組合等へ問合せを行うこともありうると考えられる。

国土交通省住宅局市街地建築課マンション政策室

| 2018年2月07日 | カテゴリー マンション民泊問題 

ルール乱立に戸惑い

 住宅に有料で客を泊める「民泊」を全国で解禁する住宅宿泊事業法(民泊)の施行を半年後に控え、東京都心を中心に、法律に上乗せして営業地域や曜日を制限する条例の制定へ向けた動きが活発化している。共同通信の調べでは、23区の8割以上で条例ができる見通しだ。平穏な住環境の確保が目的だが、多種多様なルールが乱立し、戸惑いの声も。都は「事業者や利用者への周知が重要だ」としている。

 乱立する恐れがあるのが、地域の規制だ。都市計画法に基づく住居専用地域、都条例の定める文教地区など分類方法が区ごとに違うためで、民泊物件がどこに含まれるかを正確に把握するには各区に直接問い合わせる必要がある。条例をまだ公表していない区も多く、事業者からは「確保した物件がセーフなのかアウトなのか分からず、やきもきしている」との声が漏れる。

 民泊推進か、近隣トラブル回避のための規制か。各区は難しいバランスの中で検討を重ねてきた。中野区は当初、利用者のニーズに答えるため、駅に近い住宅地は規制の対象外としていたが、区民からの意見を受け、対象を住専地域全体に広げた。田中大輔区長は14日の記者会見で「ブレーキとアクセルの両方を利かせる必要がある」と両立の難しさをにじませた。

岡管連から

 住宅宿泊事業法が来年6月15日から施行するにあたり、分譲マンションを含めた住宅を民泊として貸し出す者に対し、3月15日からその貸し出す者への受付が各都道府県等で始まります。

 特に分譲マンションについては、当該受付が始まる前の3月14日までに、当該マンション管理組合が民泊を受け入れるのか、それとも民泊を受け入れないという意思を示す必要があります。

 さらに、管理組合が民泊を受け入れないという意思表示をした場合、従前の標準管理規約では、民泊の取り扱いが規定されていないので、早いうちに管理規約を改正する必要があります。

 一方で、違法民泊が増えていて、行政側がその対応に苦慮しています。当然、管理組合も同様です。

| 2018年1月17日 | カテゴリー マンション民泊問題 

2 住宅宿泊事業の届出について

  法において、住宅宿泊事業を営む者は、都道府県知事等に届出を行うこととなっております。届出の具体

 的な運用については、法の省令等で定めることとなりますが、分譲マンション等において住宅宿泊事業を営

 もうとする場合は、届出の際、管理規約違反がないことを確認することとしております。

  この確認については、管理規約で住宅宿泊事業が禁止されていないことを確認する方向で検討しておりま

 す。ただし、規約の改正までには一定の期間を要することから、管理規約上に、民泊を明確に禁止する規定

 がない場合には、管理組合として民泊を禁止する方針が決定されていないことについて確認する方向で検討

 しております。

  具体的には、住宅宿泊事業法施行規則(仮称)(案)において、届出書の様式等を定めることとし、届出

 書の記載事項として「住宅が区分所有建物である場合には規約で住宅宿泊事業が禁止されていない旨(規約

 に住宅宿泊事業に関して定めがない場合は管理組合に禁止する意思がない旨」を求め、さらに、届出書に添

 付する書類として「住宅が区分所有建物である場合には規約の写し(規約に住宅宿泊事業に関して定めがな

 い場合は管理組合に禁止する意思がないことを確認したことを証する書類」を求める方向で検討しておりま

 す。「管理組合に禁止する意思がない」ことは、管理組合の理事会や総会における住宅宿泊事業を禁止する

 方針の決議の有無により確認する方向で検討しております。

  住宅宿泊事業をめぐるトラブルの防止のためには、住宅宿泊事業を許容するか否かについて、あらかじめ

 マンション管理組合において、区分所有者間でよくご議論いただき、その結果を踏まえて、住宅宿泊事業を

 許容するか否かを管理規約上明確化しておくことが望ましいもの考えられます。仮に、規約改正の手続き等

 が法施行までに間に合わない場合であっても、少なくとも総会あるいは理事会において、住宅宿泊事業を許

 容するか否かの方針を決議しておくことが重要であると考えられます。いずれにしましても、個々の管理組

 合においては、「マンション標準管理規約及び同コメント」の改正内容を参考にして可及的速やかに住宅宿

 泊事業を許容するか否かを管理規約上明確化すべて議論をしていただくことが極めて重要と考えています。

国土交通省住宅局市街地建築課マンション政策室

| 2017年12月07日 | カテゴリー マンション民泊問題 

1 改正の概要

 (1)住宅宿泊事業の実施を可能とする場合と禁止する場合の条文を提示

    専有部分の用途を定める第12条を改正し、法に基づく住宅宿泊事業を可能とする場合と禁止する

   場合の双方の規定例を示しました。

 (2)関連の留意事項を提示

    「マンション標準管理規約コメント」(解説)において、住宅宿泊事業のうち、住宅宿泊事業者が

   同じマンション内に居住している等のいわゆる家主居住型のみ可能とする場合等の規定例を示すなど

   関連の留意事項も示しました。

マンション標準管理規約(単棟型)を以下のとおり改正

(住宅宿泊事業を可能とする場合)

第12条 区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない。

2 区分所有者は、その専有部分を住宅宿泊事業法第3条第1項の届出を行って営む同法第2条第3項の住宅

 宿泊事業に使用することができる。

(住宅宿泊事業を禁止する場合)

第12条 区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない。

2 区分所有者は、その専有部分を住宅宿泊事業法第3条第1項の届出を行って営む同法第2条第3項の住宅

 宿泊事業に供してはならない。

(注)下線部分の第2項が追加された。

国土交通省住宅局市街地建築課マンション政策室

| 2017年12月05日 | カテゴリー マンション民泊問題 

背景

 ここ数年、民泊サービス(住宅を活用して宿泊サービスを提供するもの)が世界各国で展開されており、我が国でも急速に普及しています。一方、民泊サービスに起因した近隣トラブルも少なからず発生しており社会問題となっています。このため、民泊サービスの提供に関して一定のルールを定め、健全な民泊サービスの普及を図ることが急務となっています。

 こうしたことを背景に、本年6月、住宅宿泊事業法(平成29年法律第65号。以下「法」という。)が成立し、一定のルールのもと民泊(住宅宿泊事業)が解禁されることとなり、今後、分譲マンションにおいても住宅宿泊事業が実施され得ることとなります。分譲マンションにおける住宅宿泊事業をめぐるトラブルの防止のためには、住宅宿泊事業を許容するか否かについて、あらかじめマンション管理組合において、区分所有者間でよく議論していただき、その結果を踏まえて、住宅宿泊事業を許容するか否かを管理規約上明確化しておくことが望ましいものと考えられます。

 このため、国土交通省では、マンション管理規約のひな型である「標準管理規約」を改正し、住宅宿泊事業を可能とする場合と禁止する場合の双方の規定例を示すこととしました。

 法の施行は、公布の日(本年6月16日)から起算して1年以内ですが、その準備行為としての住宅宿泊事業の届出手続の規定の施行は9ケ月以内となっており、遅くとも来年3月15日からは住宅宿泊事業の届出が開始される予定です。個々の管理組合においては、今回の改正の趣旨を踏まえ、これを参考にして可及的速やかに住宅宿泊事業を許可するか否かを管理規約上明確化すべて議論をしていただくことが極めて重要と考えています。

 国土交通省では、法の成立を受けて平成29年8月29日、「マンション標準管理規約及び同コメント」を改正し、同日付で各都道府県及びマンション関係団体に通知しました。

国土交通省住宅局市街地建築課マンション政策室

| 2017年12月03日 | カテゴリー マンション民泊問題