初動から復旧まで 熊本の経験 全国へ
熊本市のNPO法人「県マンション管理組合連合会(熊菅連)」が、地震の発生から復旧まで、管理組合がやるべきことを時系列に記したカードを納めたキット「マンション地震対応箱」を作った。
監修した福岡大の古賀一八教授(建築防災)は「全国初の取り組みで、日本中に広めるべきだ」と話している。
熊菅連の堀邦夫会長は「熊本地震では何をやっていいか分からずに右往左往した管理組合も多かった。
熊本の経験を全国に発信したい」と話す。
熊菅連に加盟する熊本市内約80のマンション管理組合に配るほか、他県のマンション関連団体にも送る。
「マンション地震対応箱」の主な内容
1 初動対応
・近くにいる人を5人以上集める
・防災倉庫の鍵を開ける
・住民の救助
・2次災害を防止する
・非常用トイレの設置、飲み水の確保
・実行したことを確認し掲示
2 災害対策委員会
・住民で委員会の役割分担を決める
・情報共有のためのコーナー設置
・住民の安否確認と連絡網の整備
3 被害調査簡易マニュアル
・建物の傾斜の調査方法
・危険と判断すべき事例
・構造物の損傷度の事例(写真)
4 復旧の流れ
・危険度判定から復旧工事までの流れ
・震災後の管理組合の活動モデル
・地震翌日から1週間にやるべきこと
・1週間以降にやるべきこと
・3か月以降にやるべきこと
・地震保険と罹災証明の申請・判定
5 復旧工事
・復旧への合意形成の方法
・非構造壁の補修法と金額の目安