家庭ごとに選びたい
だが、電力自由化で各家庭が契約する電力会社を選ぶことが可能になり、一括受電への切り替えが難しくなる事例が今後、増えていきそうだ。
関東地方にある中規模マンションは昨年、管理組合の総会で一括受電への切り替えを賛成多数で承認した。だが、反対した数戸は「電力会社は自分で選ぶ」として同意書の提出を拒んでいる。近畿地方では反対者に対して損害賠償を求める提訴を検討しているマンションもある。
一括受電は安さを全面的に打ち出すことで普及してきたが、電力自由化で電力会社を選択する基準が広がった。環境保護に意識が高い人は太陽光など再生可能エネルギーの使用率などを基準に選べ、高齢者の安否確認などの付帯サービスに魅力を感じる人もいる。
合意形成難しく
契約切り替えをサポートしている不動産コンサルティング会社エクセルイブ(神戸市)の尾浦英香社長は「選択基準が価格だけではなくなった結果、合意形成はこれまで以上に難しくなる」と話す。
(岡管連から)
電力自由化で選択肢が広がった結果、マンションが共同住宅ゆえの問題として、『共同の利益』か『個の利益』かのどちらに重きを置くかにあるでしょう。
特にマンションでは、『コミュニティの有無』が合意形成の可否がかかっているといっても過言ではないでしょう。
なお、地方の場合、電力自由化の選択肢が少ないのが現実です。