【横浜・西区 全5棟建て替え提案へ】
住友不動産が2003年に販売し、1棟が傾いた横浜市西区のマンションで、同社が全棟の建て替えを提案する意向を住民に伝えたことがわかった。
基礎部の強度を保つ鉄筋の一部が誤って切断されていた可能性があり、1棟だけを建て替える従来の方針を転換した。
このマンションは全5棟の住居棟に約260戸がある。
杭が固い地盤(支持層)に届いていない施工不良で1棟が傾き、他の3棟でも支持層に達していない杭があることが14年に発覚。
横浜市が建築基準法に基づく是正勧告を出すなかで、住友不動産は傾いた1棟の建て替えと、他の棟の補修などを提案していた。
今回、住民に配布された文書によると、住友側は「管理組合より、不適切な工事の指摘を頂き、調査の結果、23カ所に施工不良の疑いがあった」として、「従来提案していた方針をいったん白紙に戻し、住宅棟全棟建て替え案を最善策として検討している」と示した。
3月上旬に住民説明会を開き、全棟建て替えを提案するという。
(岡管連から)
他の報道では、傾いた棟ではすでに住民が避難したとのこと。
全棟建て替えに至ったのは、管理組合からの指摘によるものである(上記の下線部)。
昨年秋に発覚した『横浜市都筑区の傾斜マンション』も管理組合(住民)からの指摘でもあったように、マンション住民が関心を持って粘り強く努力した結果であろう。
無関心であったなら、もっと事が重大な事態ならなければ動かないであろうし、他人ごとだと捉えていれば、その時は最悪事態を招く恐れもあるだろう。
横浜市の2つの全棟建て替えは、住友系、三井系といった大手デベロッパーだから実現可能であったともいえるだろう。
これが、中小のマンション販売業者であった場合、果たして全棟建て替えができたであっただろうか?
中には、倒産した販売業者であったり、施工業者であったりすることがよくあるのだが。