1 はじめに
名古屋市が平成23年度~26年度に実施した分譲マンション管理実態調査では、築年数の古いマンションほど、適正な管理がなされていない実態が浮き彫りとなった。
分譲マンションは戸建て住宅などとは異なり、1棟の建物を多数の区分所有者が管理していくこととなり、維持管理上の合意形成の困難さ、管理組合の役員のなり手不足などといった課題に直面することとなる。
分譲マンションが適切に管理されず、計画的な修繕が実施されないと、その影響はマンション居住者のみならず、その周辺の影響にも及ぼすこととなる。
また、管理不全のマンションが空き家を生み、既存ストックが有効に活用されないと、スラム化が進むおそれがあり、まちづくりの観点からも大きな問題となる。
適正な管理運営により分譲マンションの市場評価を維持し、既存ストックの流通性を向上させることや都市環境を守ることは、行政にとっても重要な課題となりつつある。
2 名古屋市のマンション施策
(1)マンション管理推進協議会
協議会ではセミナー・講座の開催や、専門家による相談事業・派遣事業などを実施し、マンションの
管理や共同住宅に関する意識啓発などに取り組み、マンションの適正な管理を支援している。
(2)マンション管理組合登録制度
登録は無料で、平成24年10月から開始し、平成26年度末時点で246組合が登録している。
3 おわりに
今後、建替えや大規模な修繕が必要となる老朽化したマンションが急増することが見込まれる。
また、適正に管理されない管理不全マンションの増加も想定しておく必要がある。
(著)名古屋市住宅都市局住宅部住宅企画課長 青木 善臣
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