【管理組合運営を活性化】
1 「マンションみらいネット」とは
「マンションみらいネット」とは、マンション管理の適正化のため平成18年度から運用を開始した修繕
履歴等蓄積システムですが、マンション管理組合の円滑に役立つ様々な機能が盛り込まれています。
《主な機能》
・管理組合の文書や図面等の安全な蓄積・保管
・修繕履歴等の蓄積
・組合員間での情報共有化と円滑な合意形成の支援
・維持管理情報の公開によるマンションの適正評価の獲得
・マンション管理標準指針との対比表の出力
2 「マンションみらいネット」の各種機能
(1)管理組合の文書や図面等の安全な蓄積・保管
マンション管理組合においては、日々、理事会の議事録、総会の議案書・議事録、さらに、管理規約や
各種の使用細則、組合員名簿や管理委託契約書等の様々な文書類が作成されており、これらを蓄積・保管
し、活用しています。
「マンションみらいネット」では、それらの書類の情報を電子化してお預かりし、厳重に保管します
が、必要に応じて各組合員が手元のパソコン等でいつでも取り出して使用することができます。
電子化して登録したあとの紙の文書を廃棄処分すれば、管理組合内の保管場所の省スペース化を図る
ことができます。
(2)修繕履歴等の蓄積
「マンションみらいネット」は(1)の文書や図面の蓄積に併せて、毎年毎年、マンション共用部分の
どのような部位に対してどのような維持修繕工事等を実施してきたかを、発注先や工事費等を含めて必要
に応じて登録・蓄積することができ、将来の大規模修繕の実施に備えることが可能です。
マンションの大規模修繕工事を実施するに当たっては、過去の修繕履歴が重要な資料になるため、
「マンション標準管理規約」においても「修繕等の履歴情報の整理及び管理等」が管理組合の業務として
位置付けられているところです(第32条1項6号)。
「修繕等の履歴情報」とは、過去の工事の実施時期、部位、工事会社・金額の他、保守点検等の維持
管理の情報も含みます。
これらを整理しておき後日参照できるように管理しておけば、次に到来する修繕工事等の際に、無駄の
ない適正な工事を実施するための有効な材料となります。
「マンションみらいネット」を活用すれば、コード表に基づいてシートを作成し、こうした情報を簡単
に整理・保管することができるので、マンション管理組合役員にとって大きな味方になります。
(著)公益財団法人マンション管理センター企画部長 高田 卓二