【 学 術 大 会 】
4月25日(土)から二日間にわたり広島工業大学五日市キャンパス 三宅の森NEXUS21において、日本マンション学会 主催による学術大会が9時半から開催された。なお、広島大会は、中四国では初めて行われた。
本大会は、初日の以下の分科会及びメインシンポジウムに参加した。
1 第2分科会:マンションと地域・行政との連携(マンション住環境まちづくり研究委員会)
マンションは個々に独立したコミュニティを形成していると同時に、地域社会の中で近隣住民や住民組
織、あるいは行政といった主体と関わりつつ、より広域で包括的なコミュニティを形成している。
当マンション住環境まちづくり研究委員会は、「地域社会の中でマンション居住の持続可能性はいかに
担保されるか」を基本問題意識として、一昨年度は高経年化等による管理不全からの脱却に向けたマンシ
ョン内部での共助や、行政機関等外部からの支援のあり方について、昨年度はマンションの持続可能性の
直接的要因となる運営資金の問題について、調査・検討を行った。
今年度は、地域活動の主体としての管理組合の活動や行政・自治体等との協働の取り組みの現状を明ら
かにし、地域社会の中での相互連携の必要性について検討を行うこことする。
・マンション管理組合の自己評価について―評価項目とチェックシートの提案―
谷口 仁宏(株式会社評価基準研究所)
・京都市の高経年マンションの取組み―持続的なコミュニティ運営の機微を探る試み―
田中 志敬(福井大学)
・管理組合と自治会の関係についての一考察
祢宜 秀之(マンション管理士)
・団地型マンションの継承に向けた住環境改善の取組みに関する一考察
戸村 達彦(NPO法人 ちば地域再生リサーチ)
・マンション問題と指定統計解析の意義
松本 恭治(地域再生研究所)
2 メインシンポジウム:人口減少とマンションの未来像
人口減少に伴う居住者の減少により、不動産のストックに余剰が生じ、住宅の空き家が増加している。
しかし、この空き家問題を、主として戸建て住宅として念頭に置いている自治体では、分譲マンションに
は当てはまらない建物の老朽化や居住者の高齢化があいまって『限界マンション』を生み出していると指
摘されている。
このような人口減少社会の到来をマンションに引き直して、マンション居住の将来を考える必要が生じ
ている。しかし、人口減少によってマンションにどのような課題が生じ、どのような対策が必要になるの
かは、あまり語られていない。このため、本シンポジウムを企画した。
・「人口予測は高経年分譲マンションの着地点を示せるか」
松本 恭治(前掲)
・「コンパクトな街づくりに向けた既存マンションの活用・・・人口減少とマンションの未来像」
小林 秀樹(千葉大学)
・「集まって住むカタチのこれから・・・集住環境のまちづくり」
江川 直樹(関西大学)
・「マンション建替え円滑化法改正」
石田 俊一(弁護士)