マンションの使用や管理等を行うに際し、区分所有者等が守るべきことなどに関して、法律等では次のように規定されている。
・区分所有法6条1項
区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者
の共同の利益に反する行為をしてはならない。
・マンション管理適正化法4条
1 管理組合は、マンション管理適正化指針の定めるところに留意して、マンションを
適正に管理するよう努めなければならない。
2 マンションの区分所有者等は、マンションの管理に関し、管理組合の一員としての
役割を適切に果たすよう努めなければならない。
・マンションの管理の適正化に関する指針(抜粋)
『マンションを購入しようとする者は、マンションの管理の重要性を十分認識し、売買
契約だけでなく、管理規約、使用細則、管理委託契約、長期修繕計画等管理に関する
事項に十分に留意する必要がある。』
このように分譲マンションが存在するうえで欠かせない建物・設備・敷地などは、区分所有者(購入者)全員の共有物であるのだが、その区分所有者にその認識が薄いため、マンションに関心がない人が多い。
本来、区分所有者全員の共有物である分譲マンションの管理とは、その管理をするために全員が負担し、共同で管理(共同管理)を行った結果、その恩恵として全員に『共同の利益』をもたらすことが本来の目的である。
ところが、まったくマンションの管理について『無関心』でいるとどうなるかというと、逆に『共同の不利益』をもたらすことになる。
岡管連が取り上げている『二つの老い』がまさしくそれであろう。この問題はすぐには表れないが、10年以上経過すると顕著に表われてくる。この二つは、『居住者の高齢化』と、『建物の劣化、設備等の陳腐化・老朽化』の問題である。
そのマンションの利用者である居住者自身が経年とともに、人間関係が希薄(化)になってくると、『マンション内のコミュニティができない』、『役員の成り手がいない』、『理事会の引継ぎがうまくいかない(任期1年を含む)』など、管理組合(理事会)の運営に支障をきたすだけではなく、ともに住んでいる人の医療・福祉の面などの生活面にも多大な影響を及ぼすことにもつながる。