日本に分譲マンションが誕生して約60年。 鉄筋コンクリートの集合住宅に、今や10人に1人が暮らす一方、建て替えや修繕が進まず老朽化するマンションが増えている。 合わせて進むのが住民の高齢化で、「二重の老い」(岡管連では、『二つの老い』と呼ぶ。)に直面している。
建築基準法の耐震基準は、宮城沖地震をきっかけに1981年6月から強化され、震度6強~7程度の大規模地震でも倒壊・崩壊しない設計が求められることになった。 だがこの前に建てられた物件が約106万戸といわれ、その耐震診断と改修があまり進んでいない。
国土交通省の調査では区分所有者の半数が「永住するつもり」と答え、古いマンションほど住民の高齢化も進んでいる。 国は、建て替え円滑化法などで建て替えを後押しするが、費用負担の難しさや区分所有者の意見の不一致が壁となり、具体的に検討する管理組合は少ないのが実情だ。