【管理規約改正に至るまでの管理組合の取組(抜粋)】
マンションの概要
当マンションは7階建て築32年、総戸数74戸の建物です。
当管理組合は自主管理の運営で、役員は定員9名の輪番制で1年交代です。
管理規約に組合員の配偶者も役員になれるとの規定があるためか、役員のほとんどを女性が占めております。
管理規約の懸案事項
管理規約は昭和59年の制定以来改正がなされず、最近まで次の問題が懸案になっていました。
①居住者名簿の作成ではルールがないため、組合員の理解が得られなかった。
②専有部分の修繕工事についてもルールがないため、居住者からの苦情に理事会が対処に苦労していた。
③管理費等の長期滞納者に対してもルールが明確ではないため、理事会がその対応に苦慮していた。
これらの問題に適切に対処することが必要であったため、管理規約の改正が急務となっていました。
規約改正委員会の活動
平成24年8月、岡山県マンション管理組合連合会(岡管連)に相談しながら管理規約改正の準備を進めました。
同年9月総会において規約改正委員会設立の承認をいただき、同年10月から岡管連の指導・援助を得ながら規約改正委員会として本格的に活動を始めました。
同年12月から組合員等全員を対象とした月1回2時間で全7回の勉強会を開催し、平成25年9月には委員会で管理規約改正案を作成し、理事会に答申しました。
その後、組合員全員を集めた説明会を行い、同年9月の総会において組合員全員の4分の3の同意を得て、改正管理規約が承認されました。
改正規約の内容
管理規約の主な改正項目は、次の通りです。
・総会での議決権行使等の電磁的方法条項の追加
・反社会的勢力の排除条項の追加
・名簿に関する条項追加
・専有部分の修繕等に関する条項の追加
・管理費と修繕積立金の分別管理の条項の追加
・共用部分等の管理に関する責任と負担の範囲の明確化
・高齢者支援業務追加など管理組合の業務の見直し
・管理費等滞納者に対する理事長の法的追行権限の追加
・旧規約に記載のなかった共用持分の明確化
・専門家の活用に関する事項の追加
・建替え決議に関する事項の追加
・役員を2年任期、半数改選するなどの充実化 など
最後に
管理規約の改正作業において改正の勉強会を重ねるなどして円滑に進めることができ、これを通してほどよいコミュニティが形成されたこと、また、同時に管理規約に対して、組合員の理解が深められたことが大きな成果でした。
(著)勤住協 北方マンション管理組合(岡山市北区)
元理事長 菅原 多美枝
(岡管連から)
北方マンションには、岡管連が1年間にわたり関わってきました。
管理規約は、マンション居住者が遵守する義務があるということもあり、住民全員を対象とした月1回、2時間、7回の勉強会を行いました。参加者は10名から15名程度集まり、参加者との意見交換、情報交換ができました。
勉強会終了後は、参加者皆さんとコーヒータイムを行い、和やかな雑談等をしました。その雑談等を通して、参加者とのコミュニケーションが図られたと感じています。
以前の管理規約では、何カ所か法令違反の部分もありましたが、今回の改正案で、現在の標準管理規約よりも充実したものができました。
その結果、総会においてもスムーズに規約案の改正が承認されたこと、喜ばしく思っています。
北方マンションの規約改正委員会の菅原委員長をはじめ、大変お世話になりました。