『人任せ』ではすべてが解決しない
中古マンション市場ではこれまで、価格や立地、築年数、広さや間取りなどばかりが注目され、管理組合の運営状況や修繕積立金等の資金状況などは、すぐには表に見えにくかったと思います。
そのため、中古の購入に二の足を踏み、新築を選ぶ人も多かったのではないでしょうか。
マンション管理が客観的に評価される時代になれば、そうした構造が一変する可能性があります。
管理の状況が資産価値を大きく左右することになるでしょう。
管理組合活動を「できればやりたくない」と感じるマンション所有者は少なくないと思います。
しかし、今後は管理組合が外部からチェックされ、「評価される時代」へ大きく変わります。
ひとたび管理不能の判を押されれば、次の世代に、負の遺産を残してしまいかねません。
マンション管理は、もはや人任せではすまなくなっていることを、所有者や居住者が認識する必要があると考えます。
管理を評価する「管理計画認定制度」がスタートします。
当マンションでは、すでに自治体と管理状況の項目情報に対応し始めています。
しかし、マンションの管理を認定したり評価したりする制度は、それだけで管理のレベルが向上するわけではないという限界も同時に存在すると考えます。
あくまでも、区分所有者と管理組合の主体的な取り組みが鍵であり、管理組合のガバナンスをしっかりすれば、今後、当マンションは大きな進歩があると思います。
(著)本地ケ原住宅第三管理組合(尾張旭市)規約委員長 高橋 賢一