県内防火管理者選任 全国平均以下
県内のマンション、アパートといった「共同住宅」で火災を想定した避難訓練や消火設備の点検を担う「防火管理者」の選任が滞っている。
県によると、選任済みの共同住宅は2015年3月末現在51.8%と、全国平均(75.7%)を大きく下回る。
背景には資格取得や業務の煩わしさがあるとみられ、万一の際の被害拡大が懸念される。
「消火訓練も避難訓練も一度もしたことがない。ただ、防火管理者がいなくても支障はなかった」。
約80人が入居する岡山市の分譲マンション住人で管理組合の男性(88)は言う。
このマンションは20年前に完成したが、防火管理者は当初から不在だ。
各種訓練のほか住人による消防設備の管理、有事に備える「消防計画」の作成も行われたことがないとしている。
消防法は50人以上の共同住宅に防火管理者の選任を義務付け、違反した場合、所有者らに罰則を科す。
県消防保安課によると、該当する県内1367か所のうち選任済みは709カ所。
多くは住民から選ばれ、04年からは制度上、コンサルタント会社、消防関係業者など外部委託が可能となったが、県内には委託先がないという。
県内で「消防計画」が作成された共同住宅は、15年3月末時点で46,5%。
防火管理者が選任されながら計画作成を怠っているケースがあるとみられ、業務が適切に遂行されているか、チェックも求められそうだ。
(岡管連から)
マンションの防火管理者選任の問題も、『二つの老い』の一つの現象でしょう。
つまり、マンション居住者の高齢化の一因もあり、役員の成り手がいないのと同様の問題です。
県内の防火管理者の選任が平均よりかなり下回るということは、、マンション管理にあまり関心がなくことにもつながるでしょう。
マンションは、建物等の共同住宅かつ共同管理に加え、生活者の共同生活という側面も持っています。
防火管理者の選任は、管理組合がマンション居住者の生命・財産を守るという意味合いもあるのではないでしょうか、