【明治安田生命 死亡の2000人未請求】
―他大手も調査検討―
生命保険に入っていた高齢者が亡くなったことを保険会社が把握せず、遺族らが保険金を受け取っていない事例が多いことが、生命保険大手の調べでわかった。保険金の受取人がすでに亡くなっていたり、認知症などを患ったりして、請求できないことが増えているためだ。
大半は、保険料の払い込みが終わり、亡くなるまで契約内容が適用される終身保険だ。
担当者は戸籍を調べて親類を割り出し、保険金のことを伝えたが、『振り込め詐欺と間違えられ、なかなか信じてもらえなかった』という。
保険会社は、受取人らから請求がなければ保険金を払う義務は生じないが、契約者が亡くなったことがわかれば受取人らに知らせて払うようにしている。
保険料の支払いが終わった高齢者の場合は、転居などで連絡が途絶えていることもある。請求がなければ、保険会社が契約者の死亡を把握するのは難しく、支払い漏れが起きる可能性が高くなる。
【宙浮く保険金 どこまで】
―死亡・転居 受取人探し進まず―
年をとるにつれて家族や友人との付き合いが減り、孤立する高齢者は少なくない。また、転居したことを保険会社に届け忘れたり、通知も勧誘などと誤解されて開封されなくなったりして、保険会社と接触ができなくなる契約者が増えていくという。
社員が登録住所のマンションを訪れても、オートロックのために中に入れず、転居したのか死亡したのか分からずにいた。
長崎県の契約者の場合は、通知が戻されていたわけではなかった。自宅には誰も住んでおらず、ポストに郵便物があふれかえっていた。数年前に入院し、すでに亡くなっていた。
保険法では、保険金の受取人は、契約者が亡くなって3年以内に請求しないと支払いを受ける権利がなくなると定めている。ただ、生保各社は3年以上たっても、亡くなったことがわかれば、受取人らに保険金を払うようにしている。最近は、契約者と保険金の受取人以外の連絡先も登録するよう促している。
(注)下線部は、こちら側で記載。
【考 察】
マンションの場合、一人暮らしの高齢者が亡くなると、管理組合として、様々な対応が持ち上がってくる。主なものとして、以下に列挙してみる。
1 親族との連絡先は?
2 どこで葬儀等をするの?
3 相続人はだれか?
4 相続人の代表者は?
5 管理費等の請求先は?
6 総会等の案内先は?
などが考えられるであろう。特に、滞納問題が加味されれば、さらに困難を要してくる。