国土交通省によると、建て替えを実現した分譲マンションは、13年4月時点で183件、約1万4千戸。旧耐震基準の物件は約106万戸あり、その1%程度だ。
最大の課題は費用負担だ。敷地にゆとりがあれば、建物の容積を大幅に増やして新たに生まれる住戸を分譲し、その利益で建設費をまかなうことができるが、規制等によりうまくいかないことが多い。
所有者や住民の合意形成も難しい。理解を得るには年月を要するが、管理組合の役員任期は1~2年のことが多い。交代とともに、議論は振り出しに戻ってしまう。そのため、日頃の住民同士のコミュニティづくりも必要になる。また、建て替えには専門家の支援が不可欠になる。