老朽化したマンションの建て替えを後押しするため、国土交通省は、耐震性が不足しているマンションを対象に、建て替えの際の容積率の上限を緩和する方針を固めた。
災害時に一時避難所としての役割を果たすことなどを条件に、現在の1.5倍前後に緩める方針で検討している。国交者は近く、マンション建て替え円滑化法の改正案を開会中の国会に提出する。
国交省によると、1981年6月以前に着工した旧耐震基準の分譲マンションは全国に約106万戸ある。昨年4月時点で建て替えられたのは約1万4千戸しかない。緩和する対象は、住民側が耐震診断をして申請し、自治体に耐震不足が確認されたマンションである。
一方で、老朽化したマンションの建て替えがなかなか進んでいない。東日本大震災以来、耐震性への不安は高まる一方だが、多額の費用負担や厳しくなった規制が『壁』となって立ちはだかっている。