続マンション漂流(下)
快適なマンション生活を考えるうえで、管理会社と管理組合の良好な関係は欠かせない。
管理会社では近年、雪かきや夏祭りの支援、高齢者の見守りといった管理委託契約書に明記されていない業務が増えているという。
こうした課題に対応するため、大手管理会社など363社が加盟する「マンション管理業協会」は10月、管理業務の項目を細かく分類した共通見積書式を作った。
サービス内容を明確にすることで健全な競争を促し、管理会社を選ぶ際の参考にしてもらおうという狙いだ。
先月、大阪市中央区で開かれた同協会の研修会には若手からベテランまで約100人が参加。
講師は「管理会社への要求のレベルは高くなり、見る目も厳しくなっている」と呼びかけた。
協会の担当者は「住民のニーズが多様化する中、コミュニケーションがこれまで以上に重要。
共通の書式を足がかりに理解を深めたい」と話す。
年月とともに老朽化が避けられないマンションの質をいかに維持するか。
管理組合と管理会社双方の模索が続く。