【全国324万カ所 事故の危険】
高度経済成長期に普及した「白ガス管」の交換を都市ガス業界が急いでいる。今も全国324万カ所で使われているものの、老朽化で腐食が進み、事故につながる可能性があるからだ。政府も補助金で支援するが、交換の必要性を知らない学校や病院も多く、難航している。
政府は1996年に鋼に亜鉛めっきを施した白ガス管の新たな埋設を禁止。それより前に埋設された管などについては、腐食が進みにくく地震にも強い「ポリエチレン管」などへの早期交換を促している。
特に学校や病院、マンション、地下街など、事故が起きれば被害が拡大する重要施設でも11万カ所が未交換だ。
交換が進まない原因は、ガス管の保安責任は都市ガス会社にあるが、交換する主体は、管を所有する学校や病院など施設側であることだ。
危機感を抱いた政府は、民間の重要施設で1棟50万~100万円ほどかかる工事費の補助率を25%から今年度は50%に引き上げた。15年度末には交換を終える計画を立てたが、達成は厳しそうな状況だ。