マンション「悪質コンサル」/毎日新聞4・20 - NPO法人岡山県マンション管理組合連合会

マンション「悪質コンサル」/毎日新聞4・20

工事業者からリベート/国が注意喚起

 分譲マンションの大規模修繕工事を巡り、施工業者選びや仕上がりのチェックをするコンサルタントが、受注業者にリベートを要求して住民に損害を与えるケースが相次いでいる。複数の工事関係者によると、リベートは工事費の20%に上るケースもあるといい、事態を重く見た国土交通省は、住民に注意喚起するよう管理会社や管理組合の団体などに通知した。

 リベートは工事費の高騰や手抜き工事につながるとして、専門家から問題視する声が上がっていた。国交省は昨年、マンション管理指針を改正して「工事の発注は、利益相反に注意して適正に行われる必要がある」と明記。施工業者の団体などに聞き取り調査を行い、リベートが横行している実態を確認した。

 複数の工事関係者によると、一部のコンサルは格安の費用を管理組合に示して設計・監理を受注。施工業者を募る際、リベートを支払うと約束した業者だけが見積もりに参加できるよう条件を絞るという。選ばれた業者が管理組合に示す見積額にはリベート分が上乗せされる。談合によって事前に受注業者が決まっているケースも多い。リベートは工事費の3~20%に上るといいい、ある施工業者の元社員は「受注していない管理会社が『場所代』として要求することもある」と話す。

 国交省の担当者は「実情を把握し、対応策を考えたい」としている。

背任罪の可能性も/マンション問題に詳しい折田泰宏弁護士の話

 リベートを受け取るコンサルタントは質の悪い施工業者に受注させたり、工事のチェックを手加減したりする恐れがある。結果的にマンション所有者の負担が増すだけでなく、横行すればまともなコンサルや施工業者が減ってします。住民の立場で契約を結びながら故意に手抜きを見逃せば、背任罪に問われる可能性もある。

2017年5月09日 | カテゴリー 大規模修繕