合意形成できる管理組合運営とコミュニティ(3)/マン菅通信2020・6

再生できるマンションに見られる特徴

 では、再生の合意形成ができ、長寿化の路線に乗っているマンションには、どんな特徴があるのでしょう。再生を実現しているマンションを対象とした調査から、下記のような傾向が見られました。

1 理事の意識が高い

  理事が固定的な管理組合だけでなく、1年任期の輪番制の管理組合でも、理事会にはほぼ全員の理事が

 出席していると回答しています。理事になったら責任を果たすのが、当たり前の風土があるのだと思いま

 す。

2 組合員の参加意識が高い

  ほぼ全部の管理組合が、総会の出席率(委任状等を含む。)が常に3/4以上と答えています。自分の

 意思表示が管理組合運営にとって大事だという意識が浸透しているのでしょう。

3 住民のコミュニティへの帰属意識が強い

  ほとんどの管理組合が、定期的に更新していてほぼ100%提出の居住者名簿があると答えています。

 これにはちょっとびっくりしました。管理組合が名簿を重要だと考えていても、住民の理解と協力がなけ

 れば情報が集まらず名簿は作成できません。住民に、自分がこのコミュニティの一員だという意識があっ

 てこそできることだと思います。

4 お互いを知る人間関係ができている

  全てのマンションが、コミュニティ形成の取組をしていました。担い手は管理組合と自治会とが半々

 です。イベントに力を入れている、サークル活動が活発、飲み会やお茶会が盛ん、共同作業で人が顔を

 合わせる機会を作っている等、その方法は様々でした。どんな形でも、顔を合わせてお互いを知る機会

 を作る努力をしていることが分かります。

5 長寿命化のビジョンを共有している

  マンションの将来について話し合い、長寿命化を目指すという将来ビジョンを持っているところが

 ほとんどでした。将来ビジョンを共有しているので、その実現に必要な再生工事は実施する。そのために、

 必要なら修繕積立金の値上げをするという合意形成ができるのでしょう。

6 理事会に対する信頼がある

  理事会は、常に、丁寧な合意形成を行っているのが分かります。工事の実施には全世帯の協力が必要な

 ことも多いのですが、1戸、1戸回って協力を依頼するなどの労力をいとわない様子が見てとれます。

 そういう理事会に対する信頼があるので、かなり難易度が高い合意形成もできるのだと思います。

7 マンションへの愛着が強い

  自分の暮らすマンションに対する愛着が強い人が多いことが分かります。そこから、このマンションを

 再生して長持ちさせようというモチベーションが生まれているのだと思います。

(著)公益財団法人 マンション管理センター 企画部参与 廣田 信子

2020年8月21日 | カテゴリー コミュニティ