(5)成年後見制度の利用へ
本人が、物忘れをしたり理解力に不安を感じたりする(補助)、判断能力がかなり不十分(保佐)、
判断能力がなかったり寝たきりの方(後見)には、民法(7条~21条)によって、成年後見等の
申立てをすることができ、家庭裁判所の審判により、補助人、保佐人、成年後見人が付きます。
ただこの制度は、本人の行動を強制的に制限する制度であるため、管理組合には、成年後見制度の
利用を申し立てる権原はありません。原則として本人を含む配偶者、四親等内の親族の家族等だけが
申し立てることができます。家族が何もしなく、身寄りがないときは成年後見人等を付けられない
のです。
そこで、包括支援センターを利用すると、ケアマネジャーがその自治体に働きかけてくれて、そこの
自治体の制度にマッチすれば、成年後見人等の選任について市町村長が代わって申し立てる市長申立て
制度の利用ができます。この制度は、自治体によって、時間がかかる場合があるので、管理組合は
早めに手を打つことが肝要です。ケースによっては、民生委員で福祉に強い方に当たれば、
早く後見制度を利用できる場合もあります。
(著)横浜マリン法律事務所 弁護士 石川 惠美子
岡管連から
家庭裁判所に成年後見人等の選任の申立てを行っても、家庭裁判所の審判が下りるまで、一般的に3カ月から4カ月程度時間を要します。