認知症の方が引き起こす困りごと
(1)役員の担い手にならないこと
輪番制で役員の番が回ってきても、正常な反応がないあるいは全て出てこない場合があります。
そういう事態が予測されるなら、役員交代の2ヵ月ほど前に、次の方に予め通知して面談して
普通に話ができるか、役員を引き受ける自覚があるかを、確認しておきましょう。
(2)役員忌避を回避できる規定の必要性
家族に認知症や重病人を抱えていて介護が必要とか、別世帯の家族の介護にほとんど毎日出かける
場合、役員に当たった人が辞退する場合どうするかという問題があります。プライバシーに係ること
なので理事が何回か面接して、要介護者がほとんど毎日デイサービスに行くのでしたら昼間だけの会計
ならできるか、または電話やインターネットにより理事会参加の規定を設けて、電話等での理事会参加
はできるかを打診するとか、夜の理事会は原則開かないとし仮にやっても議事は1時間以内に終わらせ
るよう議事進行の効率化を図るなどの工夫が必要です。
(3)認知症から起こる迷惑行為への対処
徘徊、奇声を発する、ゴミ屋敷、暴力、放尿・脱糞など、迷惑行為はいずれも認知症が進む過程で
現れる症状です。
ゴミ屋敷化してベランダに荷物等を積み上げ、ついに、自室の入り口の外にまでゴミを置き、
ゴミ出しをしなくなります。悪臭だけでなく、虫が発生して近隣の居住者が大変迷惑を被ります。
(著)横浜マリン法律事務所 弁護士 石川 惠美子