【撤去が進まず1400万戸】
―野村総研 23年試算―
定住者がいない住宅が全国で2023年に約1400万戸に達し、5軒に1軒が空き家となるとの試算を、野村総合研究者が3日までにまとめた。今後、人口減少が本格化して世帯数が減っていく一方、空き家の撤去がスムーズに進んでいないため。空き家が増えると、景観や生活環境の悪化、倒壊などの事故増加を招く恐れもある。
国や自治体は対策に取り組んでいるが、野村総研は『空き家の撤去促進や、中古住宅市場の活性化といった対策強化が必要」と指摘している。
総務省によると、13年の空き家数は820万戸で、総住宅数に対する『空き家率』は過去最高の13.5%に達した。
野村総研は、有効な対策を打たなければ、新築戸数が撤去を上回る状態が続き、23年の総住宅数は13年より約600万戸増えるとみている。
野村総研は国立社会保障・人口問題研究所の推計も踏まえ、空き家率は18年に16.9%、23年には21.0%まで上昇すると試算した。
(岡管連から)
空き家(空き室)問題は、分譲マンションにもあてはまるだろう。また、戸建て及び分譲マンションを含め、築30年以上経過すると、この問題は、顕著に現れてくる。その理由は、建物が築30年ということは、そこに暮らしている人たちも当然それ相応の年齢に達しているということである。特に、核家族が進んでいる社会においては、この問題は、世の中に大きな影を落とすとともに、震災等による災害が起きた場合の対策を想定すると、行政においても空き家(空き室)問題は、ほっとくわけにはいかないだろう。
そこで野村総研の試算から、分譲マンションの空き室問題としてとらえてみる。この場合、築30年以上のマンションを想定してみる。
【分譲マンションの空き室】
・2013年の空き室:18万9千戸
・2018年の空き室:33万7千戸
・2023年の空き室:58万2千戸
築30年以上で10年後の分譲マンションの空き室は、58万戸に上ると推測される。
【新たな管理組合の問題】
以下のことが想定されるだろう。
1 マンションの空き室問題は戸建てと違い、簡単に撤去
できない。
2 マンションの建て替えも簡単ではない。
3 マンションは民民の問題であり、行政が関与しにくい。
4 管理組合の役員の成り手がなくなる。
5 マンションの空き室の所有者が誰であるか分からない。
6 管理組合として誰に管理費等を請求すればよいか分からない。
7 マンションの空き室が増えると、マンション全体がスラム化
してくる。
8 マンションの空き室が増えると、マンションの資産価値が
下がる。
など。