緊急輸送道路/岡山市の12路線先行
国補助制度 県が予算措置
県は、大規模災害時に建物が倒壊して緊急輸送車両が通行不能になるのを防ぐため、2016年度から岡山市と連携して「緊急輸送道路」に面する建築物の耐震診断を促す取り組みを始めた。
同市内の12路線、計115.3キロ区間を先行対象に指定し、所有者への働き掛けを強化。
国の補助制度を利用できるよう、予算措置を講じた。
沿道建築物の所有者に耐震診断の実施と報告を義務付けた改正耐震改修法(13年11月施行)に伴う対応。
診断対象は1981年以前の旧耐震基準で建てられ、倒壊時に道幅の半分を超えて道路をふさぐ危険性のある建築物。
指定区間の沿線ではマンションやアパート、工場など96棟が該当するという。
市が所有者への聞き取り調査を行っており、診断がなされていない場合は20年度までの実施と結果報告を求める。
診断費用は原則、全額公費で補助することとされており、国が2分の1、県と市が4分の1ずつを負担。
県と岡山市は16年度当初予算に関連経費を計上した。
診断後の耐震改修への支援について県は「診断結果や他県の状況を踏まえながら考えたい」(建築指導課)としている。