マンションの情報管理について(2)/マン管通信2016・4 - NPO法人岡山県マンション管理組合連合会

マンションの情報管理について(2)/マン管通信2016・4

~「マンションみらいネット」の活用のご提案~

マンション修繕履歴情報の重要性

 昨今、住宅のトレーサビリティ(追跡可能性)に注目が集まっています。

 トレーサビリティは食の安全等に関し、生産工程や流通経路の特定化について取り上げられる機会が多いのですが、マンションにおいても瑕疵や欠陥の対策としてトレーサビリティを高めることが求められています。

 不動産流通市場においても、マンションの売買に先立つ重要事項説明の際に、宅地建物取引業者は「当該一棟の建物の維持修繕の実施状況が記録されているときは、その内容」を買主に説明しなくてはならないことになっています。

 つまり、売買においても修繕履歴は重要な位置付けにあり、住宅購入者にとっても購入条件の大きな要素になっていると言えます。

 修繕履歴は、「築ΟΟ年の時点で、ΔΔの部位について、◊◊の工事を実施した」という記録の蓄積であり、これらを整理保管しておくことで、大規模修繕工事時や緊急時の工事を実施する際に、ムダを省いた効率の良い工事実施につながります。

 「マンションみらいネット」は、こうしたマンションの調査・診断、修繕工事の履歴を電磁的に時系列に整理保管し、インターネットを通して組合員全員が情報共有できるしくみになっています。

 修繕履歴データには自由記載欄を設け、工事を発注した業者名や工事金額、工事内容の詳細等を自由に記録することができますので、次回の修繕工事実施時に貴重な資料となります。

                    (著)(公財)マンション管理センター企画部次長 平野 功一

2016年6月07日 | カテゴリー 行政情報