管理組合と法人税の納税義務
法人税法上、管理組合は人格のない社団等に分類される。また、管理組合法人は公益法人等とみなされる(区分所有法第47条だ13項)。
人格のない社団等は、収益事業から生じた所得にのみ法人税が課税される。したがって、管理組合が収益事業を行う場合、法人税の納税義務者となり申告納税が必要となる。
管理組合と収益事業
法人税法上、収益事業は販売業、製造業など一定の事業で(34種の限定列挙)、継続して事業場を設けて行われるものとされている。
管理組合の主な収入として、以下が考えられる。これらが収益事業に該当する(法人税の課税対象となる)かどうかを整理する。
(1)管理費
(2)修繕積立金
(3)駐車場使用料
(4)携帯電話基地局設置料
(5)自動販売機設置料
(6)再利用資源の集団回収に係る報奨金
(1)管理費及び(2)修繕積立金は、収益事業に該当せず課税対象とならない。
(3)駐車場使用は、次の通り、駐車場の利用が区分所有者を対象とするか、外部使用者(区分所有者以外)を対象とするかにより取り扱いが異なる(注)。
(管理組合に対する駐車場使用料の課税)
①区分所有者を対象・・・・・・課税されない(非課税)
②外部使用者も対象・・・・・・イ 区分所有者優先:外部使用者部分ののみ課税(区分所有者非課税)
ロ 区分所有者優先なし:区分所有者部分含めすべて課税(全使用者課税)
(注)
「マンション管理組合が区分所有者以外の者へのマンション駐車場の使用を認めた場合の収益事業の判定について(国土交通省住宅局長からの照会に対する平成24年2月13日国税庁課税部長文書回答)」に基づく。