賃借人が周りに迷惑をかける場合
賃借人がルールを守らずに周りに迷惑をかける場合、賃貸人である区分所有者は、賃貸借契約に基づきルールを順守するよう求め、場合によっては賃貸借契約を解除することができます。
しかし、賃貸人が対応してくれないとき、管理組合はどうすればよいでしょうか。
区分所有者は、賃借人の立場を勘案し、管理組合との関係においても、直接に、
①規約または集会決議に従う義務(区分所有法(以下、「法」という。)46条2項)
②区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない義務(法6条1項、3項)を負うと定めました。
したがって、管理組合は、賃借人がルールを守らず周りに迷惑をかける行為をした場合には、規約・集会決議に違反していること、共同利益違反行為があることを理由として、直接賃借人に対して、迷惑行為を「やめる」(差止請求・法57条)、あまりに酷い場合には「出ていけ」(引渡請求・法60条)と請求することができます。
もちろん、迷惑行為により損害を受けた場合には、損害賠償請求(民法709条)もできます。
湯川・佐原法律事務所 弁護士 佐原 專二