第2回 マンション標準管理規約改正の解説(2)/マン管通信2017・1 - NPO法人岡山県マンション管理組合連合会

第2回 マンション標準管理規約改正の解説(2)/マン管通信2017・1

7 管理費等の滞納者に対し取り得る措置

(1)滞納管理費等回収の手続き

   管理費の滞納は、管理組合の円滑な運営を阻害し、マンションの適正な管理の維持と資産価値の保持に

  多大な影響を及ぼす恐れがあり、適切な滞納管理費等の回収は、管理組合として積極的に取り組む必要が

  あります。

   そこで、今回の改正では、管理組合が管理費等の滞納者に対してとり得る各種の措置について段階的に

  まとめたフローチャートおよびその解説が、別添3として提示されたところです。

(2)回収に要する費用

   また、今回の改正では、滞納管理費等の徴収に係る費用等についても、次のような考え方が示されまし

  た。

  ①遅延利息について

   管理費等の債務の履行が遅れれば、遅延利息が発生します。これまでは、滞納の場合の遅延利息がどの

  程度まで許容されるかについての明確な記載はありませんでした。今回の改正では、管理費等の意義に加

  え、その滞納はマンションの資産価値や居住環境に影響し得ること、手間や時間コストなどの回収コスト

  が膨大となり得ること等から、「利息制限法や消費者契約法等における遅延損害金利率よりも高く設定す

  ることも考えられる」としています。

  ②違約金としての弁護士費用・督促徴収費用について

   滞納管理費等の回収のためには一定のコストがかかります。これまでも違約金としての弁護士費用並び

  に督促および徴収の諸費用は、滞納管理費等に加算して組合員に請求できる旨が規定されていました。今

  回の改正で、これらについては「請求しないことについて合理的事情がある場合を除き、請求すべきも

  の」との考え方が示されたところです。

                           (著)佐藤貴美法律事務所 弁護士 佐藤 貴美

2017年2月09日 | カテゴリー 管理基礎講座