第1回 マンション標準管理規約改正の解説(1)/マン管通信2016・12 - NPO法人岡山県マンション管理組合連合会

第1回 マンション標準管理規約改正の解説(1)/マン管通信2016・12

1 標準管理規約の改正

  平成28年3月、国土交通省は、住民の高齢化等を背景とした管理組合運営の担い手不足、管理費の滞納

 等による管理業務の支障(管理不全)、暴力団の排除等の必要性、災害時における意思決定のルールの明確

 化などの諸課題に対応するため、標準管理規約の改訂版を公表しました。

2 役員に関する改定

(1)外部の専門家の活用

   標準管理規約は、外部専門家の活用のあり方として次の3つのパターンを参考として示しています。

  ① 従来どおり理事会を設け、理事会役員に外部専門家を入れる「理事・監事外部専門家型又は理事長外

   部専門家型

  ② 外部専門家を区分所有法上の管理者として選任し、理事会が監事的立場となる「外部管理者理事会監

   督型

  ③ 外部専門家を区分所有法上の管理者として選任し、理事会を設けない「外部管理者総会監督型

(2)役員の欠格要件

   これまでは、標準管理規約には役員の欠格要件の規定はありませんでしたが、今回の改正で外部の専門

  家を役員に選任することができるようになったことを踏まえ、役員の欠格要件が次のとおり明記されたと

  ころです。

  ① 被成年後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ない者

  ② 禁固以上の刑に処せられ、その執行が終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から5年を

   経過しない者

  ③ 暴力団員又暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者

  ④ マンション管理士の場合にはその登録が取り消された者、又は、マンション管理に関する各分野の専

   門的知識を有する者の場合には当該分野に係る資格につき同様の処分を受けた者

  ⑤ 銀行取引停止処分を受けている法人から派遣された役職員

  ⑥ 管理業者の登録の取消しを受けた法人から派遣された役職員

                           (著)佐藤貴美法律事務所 弁護士 佐藤 貴美

2017年1月13日 | カテゴリー 管理基礎講座