マンションの空き家問題を考える(3)/マン管通信2017・1 - NPO法人岡山県マンション管理組合連合会

マンションの空き家問題を考える(3)/マン管通信2017・1

4 空き家問題予防と解決のために

(1)空き家の予防

  ① 魅力を再生

    空き家問題を生じさせないためには、空き家そのものを予防することが重要です。ステージのⅡや

   Ⅲ、そして絶対にⅣにはならないように、Ⅰの段階で対応することが必要です。

    建物の再生もそうですが、管理の仕方やイベントの内容も含めたマンションの魅力の再生を行うこ

   とが必要です。そのためには、自分たちのマンションの強み・弱みを客観的に知ることが大事です。

  ② 中古住宅としての流通の促進

    マンションの魅力を発信することも重要です。

    マンションのホームページを開設し、積極的にマンションの情報を発信する例もあります。

    ホームページのように不特定多数に情報を開示しなくても、マンションの購入を検討している人に

   適正に管理情報を開示することは重要です。マンションの管理方法、修繕履歴や今後の修繕計画、マ

   ンションのコミュニティ活動等の魅力をバックにして、情報を提供する方法があります。また、仲介

   の不動産業者からの問合せに管理組合、管理会社がスムーズに対応できるように、新しい標準管理規

   約や標準委託契約書を参考にして体制を整えておくことも必要です。

  ③ 賃貸住宅としての利用の促進

    空き家を賃貸住宅として利用する方法があります。

    1つには、所有者の組織と居住者の組織を分離し、それぞれの役割を明確にすることです。若い世

   代の借家層と高齢世代の持家層の相互の良さを生かす管理体制やコミュニティ形成の工夫が必要にな

   ります。

                       (著)横浜市立大学国際総合科学部 教授 齋藤 広子

2017年2月21日 | カテゴリー 空き家問題