【ハンドル型電動車いす】
歩くのがつらい高齢者らの便利な移動手段として、ハンドル型電動車いすの利用が広がっている。普及に伴い、死亡事故も発生。安全に乗ってもらうため、講習会や利用者の登録制度など、各地で対策が進んでいる。
【高齢者に普及、事故も】
電動車いすは数種類あるが、高齢者の利用が多いのはハンドル型だ。メーカーなど10社でつくる電動車いす安全普及協会(電安協)によると、昨年度までの約30年で約47万台を出荷した。
【運転免許 不要】
車体の大きさなどの基準に適合した電動車いすは道路交通法上、『歩行者』の扱いで、運転免許は不要。時速は最高6キロまで出せる。大人の早歩き程度だ。
普及に伴い、事故も起きている。警察庁によると、ハンドル型を含む電動車いす全体の昨年の交通事故は191件。過去5年は毎年200件前後で推移している。
事故を防ぐため、製品事故の情報を収集する製品評価技術基盤機構(NITE)は
① 道路の端に寄り過ぎない
② 下り坂では速度を遅めに設定
③ 踏切の横断はなるべく避ける
などを示している。
【安全対策 進む】
事故を防ぐための取り組みも進む。電安協は10年、安全運転のチェックシートを作った。販売店が、購入を検討している人の視力・聴力などを確認。試乗で、操作能力も確かめる。
愛媛県交通安全協会は今年1月、利用者の登録制度を始めた。今後、登録者に安全講習会への参加を促す予定だ。
6月からは、保険会社と協力して電動車いす用の任意保険の販売を始めた。
【キーワード:電動車いす】
電動車いすは、大きく自操用と介助用に分類される。1回の充電で20~30キロ走り、電気代は1回数十円。介護保険では1割の費用負担で借りることができる。
【右側通行に注意】
『歩行者』なので歩道のない道路では原則、右側通行なのだが、逆走しているようで落ち着かない。『車の運転をしていた人は勘違いしやすいので、注意が必要です」と。
(岡管連から)
管理組合としては、電動車いすを取り入れる場合、自転車の登録制度と同様に『利用細則等』を検討する必要があるでしょう。
また、電動車いすを利用する人も、安全講習を受けることや、その取扱い説明を受けたり、また保険等に加入すべきでしょう。
岡管連が取り上げている『二つの老い』という問題では、前回の『高齢者への配慮』でもお知らせしましたように、『乗用車から電動車いすへ』と、マンション生活者の移動手段として、ますます注目されるのではないでしょうか。