「じり貧型」への対策
2 本人が、認知症または精神疾患のため対話ができない場合
この頃多いのが、本人が一人暮らしで、しかも、認知症または精神疾患が疑われ、管理組合側と本人との
コミュニケーションがとれない場合です。
この場合、管理費滞納云々ではなく福祉的観点から、万一何かあったら困るからという理由で、地域包括
センター、保健所、交番など、老人福祉や精神福祉の役所の機関に相談を持ちかけます。
そして、居宅訪問に行ってもらっていくうちに、家族が来たり、全く身寄りがないことが分かり、現在の
住戸から然るべき施設に入れてもらい、後見人などが選任されて、家族や後見人と話し合いができたりし
て、事態が打開されることがあります。
3 本人は、働いているらしいがほとんど帰宅しないが不在で、連絡がつかない場合
郵便物が貯まっていてポストから溢れているなら、住民票を取って見て、変化がないか確認します。
連絡先が分かれば、そこに滞納管理費等支払の督促書を送るとか、本人の電話番号を聞き出して、何とか
話合いで解決するよう努力してみることです。
また、パイプスペースを開けてみて、ガス、水道、電気が止められていたなら長期間不在です。
さらに、登記簿を見て、税金滞納により差押えされているとか、第三者から仮差押えや競売申立てがなさ
れていないか確認しましょう。
(著)横浜マリン法律事務所 弁護士 石川 惠美子
(岡管連から)
長寿社会では、『認知症の問題』が社会に大きな影を落とすと言われています。
特にマンションの場合、『認知症の問題』が自分自身の問題ではすまなく、管理組合の運営にとって、大きな支障をきたすと言われています。