なぜ滞納が起きるのか
1 最も多いのは、区分所有者が高齢となり、年金生活だけではやりくりが苦しくなり、その上、成人病や
認知症にかかって入院費や治療費が嵩んでしまい、お金が足りなくなったとき、本人に痛みが一番少ない
よう管理費等の支払を後回しにしてしまう「じり貧型」です。
比較的若い人でも、失業したり、事業が上手くいかないなど、やむなく生活に最も響かない管理費等の
支払を削り、生活しようとします。
2 対極的なのが、「意図的滞納型」です。
これは、競売や公売による落札者が、最初から、賃貸で家賃を稼ぎ、管理組合から法的手続きにより
追い出されるまで絶対に管理費等を支払わないと、当初から意図して滞納する場合です。
(著)横浜マリン法律事務所 弁護士 石川 惠美子
(岡管連から)
岡管連では、マンションの「二つの老い」と「管理費等の滞納」は、「表裏一体の関係」だと考えています。
老夫婦二人でのマンション生活が、一方が大病したり、あるいは先立たれたりした場合、生活ができなく恐れが出てきます。
これが『老後破産』といわれるものです。
また認知症などにより、金銭管理ができなくなったりする恐れがあります。
加えてマンションの経年に伴って、役員のなり手がいなく、建物等の維持管理が難しくなってきています。