理事長及び監事の責務
管理組合の会計担当理事が、19年にわたり、管理組合の預金(1億円を超える)を横領、着服した事件の判決では、管理組合の会計監査役員について、会計担当理事が作成した前年度の収支決算報告書を確認・点検し、会計業務が適正に行われていることを確認すべき義務があったにもかかわらず、虚偽の決算報告書の記載と偽造した残高証明書の残高を確認するだけで、本件預金口座の通帳を確認しなかったことは、会計監査役員として善管注意義務違反があったと認めざるを得ないとし、会計監査役員の責任を認めました。
また、理事長についても善管注意義務違反とし、その責任を認めました。
一方、自主管理に協力しない管理組合の構成員(組合員)にも責任があるとして、過失相殺の法理の類推によって損害額の1割を連帯して賠償する責任を会計監査役員及び理事長に賠償額として科した。