国土交通省の調査によると、分譲マンションのストック数は約600万戸。そのうち築30年以上のストック数は100万戸以上あり、今後も増加することが予想される。
さらに住民も高齢化し、『二つの老い』が深刻な問題になっている。そうしたなか、マンションの資産価値を高めるために重要になるのが、『管理の適正化』だ。そこでマンション管理などについて横浜市立大学国際総合科学部教授の齋藤広子さんに聞いた。
【人も建物も高齢化し『二つの老い』が問題に】
1960年代半ばの第1次マンションブームから50年が過ぎ、築年数の経つマンションが増えてきました。
また、日本ではマンションでの永住意識が高いので、建物とともに住民も高齢化しがちです。そうしたことから、建物と人の『二つの老い』が大きな問題となっています。
マンションは築30年を超えると外壁の塗装や屋上の防水の工事にあわせ、設備の交換といった大規模な修繕が必要となり、よりお金が必要になります。
しかし、年金生活のため費用を負担できないという問題が出てくるのです。さらに高齢化による管理組合のなり手不足も深刻化しています。
そうならないために必要になるのが、しっかりとした『マンション管理』です。
【マンションが健康に長生きするために必要な六つの力】
① 安心・安全な建物、強い『建物力』
② 生活の場としての安全・安心、強い『コミュニティー力』
③ 災害に備えた『リスクマネジメント力』
④ 運営していく『マネジメント力』
⑤ 地域との連携『地域力』
⑥ 支援体制『支援力』
【岡管連から】
よく『マンションは管理を買え』と言われることがありますが、新築時から適正な管理ができているマンションは存在しません。
『マンションの管理は自分たちで作る』ものです。他から与えられるものでもありません。
【セミナー情報】
本日、午後3時(受付14時30分)から岡山市北区南方のきらめきプラザ(NPO会館)において、以下の内容等でセミナーを開催いたします。
・『自治会長(理事長)殿』・・・理事会運営に関するビデオ上映(約20分)
・『マンションの長寿命化と適正な管理』・・・マンション管理士による講演(30分)
・『県警からのチラシ』・・・岡山県岡山中央警察署生活安全課による説明(約5分程度)
・『参加者とのフリートーキング』・・・意見交換等(約40程度)
*岡管連は、『二つの老い』を念頭に、管理組合への支援等を行っています。