標準管理規約にみる監事の権限と職務(4)/マン菅通信2019・4

監事の職務

(2)業務監査

 c 総会決議違反・理事会決議違反の有無

   総会や理事会で決議された事項に違反して、理事長が職務執行をしていないかどうかも確認しなければ

  なりません。

   例えば、大規模修繕工事を実施する業者を総会決議において決定したにも関わらず、理事長が独断で

  他の業者に工事を発注していないか、理事会において管理費等請求訴訟のために委任する弁護士及び

  弁護士費用を決定したが、理事長が独断でその内容と異なる委任をしていないか等が挙げられます。

   また、総会や理事会で決定した内容を理事長が執行しているかどうかも、確認する必要があります。

 d 理事による不正の行為・著しい不当な事実の有無

   不正の行為とは、直接には法令、規約、使用細則等、決議及び規約違反には当たらないが、社会的に

  不当な行為を指し、著しく不当な事実とは、それを決定し行うことが妥当でない場合を指すと解され

  ます。

   具体的にどのような場合がこれに当たるかは、事案ごとに社会通念に照らして監事が判断することに

  なりますが、理事の利益相反取引につき、理事会の承認決議を経たものの、工事代金が著しく高額で、

  理事会が利益相反取引を行う理事の利益を図ろうとしていると疑われるような場合は、これに含まれる

  ものと解されます。

(著)横浜マリン法律事務所 弁護士 石川 惠美子 弁護士 佐藤 元

2019年5月17日 | カテゴリー 管理組合運営