標準管理規約にみる監事の権限と職務(3)/マン菅通信2019・4

監事の職務

(2)業務監査

 a 法令違反の有無

   監事は、管理組合の業務が区分所有法等の法令に違反していないかを確認しなければなりません。

   区分所有法違反の有無の具体例としては、共用部分の管理に関する総会決議事項につき総会の

   多数決決議を経ているのか否か(法18条1項本文。例:大規模修繕工事の実施)、共用部分の形状

   または効用の著しい変更につき3/4の特別多数決決議を経ているか否か(法17条1項。例:機械式

   駐車場の撤去)、規約の変更につき3/4の特別多数決決議を経ているか、総会決議の議題は

   あらかじめ招集通知により通知されているか(法37条1項)、理事長は規約や総会議事録を保管して

   いるか(法33条1項本文、法42条5項)等が挙げられます。また、区分所有法以外の法令違反の

   有無の具体例としては、刑法違反等などが挙げられます(例:理事による管理組合の預貯金の横領行為

   は業務上横領罪に当たる(刑法253条違反)。)。

 b 規約、使用細則等違反の有無

   規約、使用細則等に違反しているかどうかも確認しなければなりません。例えば、役員の員数は規約で

   定めたとおりになっているか(標準管理規約35条1項)、役員及び役職の選任の手続きは規約に

   則っているか(同条2項、3項)、役員による利益相反取引の場合の手続きが履践されているか

   (同37条の2)、総会の招集手続きは規約に則っているか(同43条)、総会に先立って予算案、

   決算案、議案などを理事会で決議し確定しているか(同54条1項)、管理費等の滞納に対する法的

   措置を行うにあたって理事会決議を経たか(同60条4項)等が挙げられます。

(著)横浜マリン法律事務所 弁護士 石川 惠美子 弁護士 佐藤 元

2019年5月15日 | カテゴリー 管理組合運営