管理会社が撤退通告!(5)/週刊東洋経済3.2

資産価値を守る管理 安さと質は両立せず

管理会社からは、「住民の無関心も問題だ」という声も多い。実際、撤退した案件の中には、住民自身が原因となったものもある。中堅の応募が集まったマンションでは、特殊な空調設備を修理すべく、住不建物は管理組合に対して管理費の値上げを再三依頼していた。

ところが、当の管理組合は理事会が開けないほど自分たちの住むマンションに無関心。ついぞ空調設備は修理されなかった。

神奈川県内のあるマンションは、管理費の安い独立系へと管理会社を変更した。ところが管理の質が下がって住民の不満がたまった結果、管理費の高い業者へ再度変更する羽目になった。管理組合からリプリース(変更)に関する相談を受ける彩の国マンション管理センターの代表理事は、「管理費の安さが満足のいく結果を生むとは限らない」と指摘する。

人手不足は業界共通の問題だけに、現状は気を吐く中堅管理会社も勢いがいつまでも続く保証はない。管理会社による物件の選別が加速すれば、住民側も住まいの管理について無関心ではいられまい。

マンション管理業協会の理事長は、「住民にとって管理会社は、言われたことは何でもやる『サーバント(使用人)』だった。今後は、管理の質が物件価格に反映される制度設計が必要だ」と訴える。

限界に達した使用人は、主人に対していよいよ反論を翻した。「安くてよい管理」が限界に達する中、資産価値を維持すべく、管理会社も住民も多少の痛みは覚悟する必要がある。

2019年4月11日 | カテゴリー 管理組合運営