管理不全マンションが身近になってきた/マン菅通信2019・10

マンションの管理不全が話題になっています

マンションの管理不全とは何でしょうか?

 筆者の定義は、「管理組合の機能不全により建物劣化が放置されている状態」です。

 つまり、管理組合の機能不全と、建物の不全状態の2つが同時に生じている状態です。

 なぜ、住宅需要が期待できる好立地でも管理不全が発生するのでしょうか。

 その理由は、マンション管理は所有者の合意形成が求められることにあります。

 このため、以下の理由で管理組合が機能不全に陥り、それが建物劣化の放置を引き起こしています。

 第1が、投資用マンションです。

 管理会社は、マンションを分譲した会社であることが多く、倒産することが珍しくありません。

 しかも、所有者が分散して管理組合の実態がなく、倒産すると対処が難しくなります。

 さらに住むのは賃借人です。

 管理に問題があれば簡単に転居し空き家になります。

 第2が、議決権の多数を占める大口所有者がいて、しかも、それが法人の場合です。

 ここでの多数とは1/4以上で、管理規約改正などを不成立にできる割合のことです。

 倒産等により管理無関心者に転売され、利益優先で民泊等に利用されると問題になります。

 他の所有者らが管理規約の改正で対処しようとしても議決権に阻まれます。

 この他にも、火災や欠陥工事による損傷を修繕できない例、地方都市で低層階店舗が空き家になり管理費滞納が生じている例、などがあります。

(著)千葉大学大学院 工学研究院 教授 小林 秀樹

2019年11月13日 | カテゴリー 管理不全マンション