マンションの管理不全とその対策を考える(4)/マン菅通信2019・10

管理不全予防には何をすればよいか

③地方自治体等行政対応も含めた社会システム

 現在のマンション管理の施策の対象は、主に自発的に支援を求めるだけの力量がある管理組合(良好なマンション)です。ゆえに、管理不全に陥らないように問題のあるマンション(懸念のあるマンション)や管理不全の場合(不適格なマンション)に対応できる施策が必要です。

 空き家対策特別措置法では、全住戸が空き家にならないと対応できません。ゆえに、管理不全予防や解消のために、小規模マンションを含め分譲開発時から適正な管理の初期設定をする体制の整備、管理段階では管理の状態の把握、状態によっての指導・勧告等が行える体制が必要です。

 さらに、管理不全になった場合には、改善のための費用負担を区分所有者自身が支払えるようにリバースモーゲージ制度の利用などの可能性の検討等も必要です。そのためには、管理の状態が金融・市場で適正に評価されること、さらに管理組合が経営も含めた幅広い管理を将来にわたって安定的に実施できるような法体制を整備することも必要であると考えます。

(著)横浜市立大学国際教養学部 教授 齋藤 広子

2019年11月11日 | カテゴリー 管理不全マンション