監事の役割強化
(事例)
監事には理事のような日常的な担当職務がありません。また、管理規約には「理事会に出席できる」との定めがあります。この場合、自分の都合により理事会に出席しても構わないのでしょうか。
(解説)
標準管理規約に監事に関する条文が追加された。
① 監事の理事会出席が義務化
平成28年3月の標準管理規約改正で、監事の機能が強化されました。具体的には、第41条(監事)
第1項の条文は改正されていませんが、同条関係コメント①では「第1項では、監事の基本的な職務内容
について定める。これには、理事が総会に提出しようとする議案を調査し、その調査の結果、法令又は
規約に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときの総会への報告が含まれる。」としており、
総会での調査報告を職務とする考え方が示されました。
改正前の第41条第3項に「監事は、理事会に出席して意見を述べることができる。」との定めがあり
ましたが、今回の改正により同条第4項として「監事は、理事会に出席し、必要があると認めるときは、
意見を述べなければならない。」となり、監事は理事会に毎回出席することが義務付けられ、必要なとき
は意見を述べることも義務となりました。さらに、新たに第2項が設けられ、第1項の規定を受けて、
具体的な報告請求権と調査権についての定めが置かれました。
② 監事の職務
監事の役割の中で主要な業務は、監査の実施です。年度半ばの上半期末の監査、そして年度末の監査が
それです。とりわけ、理事会に毎回出席し、理事会で何が議論されているか、何が主要なテーマかなどを
よく理解することで、監査を行うにあたっても各理事の業務執行状況がより把握しやすくなります。これ
により厳正かつ的確な監査も可能となります。
標準管理規約の今回の改正に伴い、監事の職務規定について管理規約を改正することを検討されては
いかがでしょうか。